機能性表示食品を真に国民から信頼させる制度へ
健康と食品懇話会
会長 谷口 茂 氏
新年明けましておめでとうございます。機能性表示食品制度は施行から3年を経過し、届出件数も1,500件を超えて制度としては順調に浸透しているといえます。これには本年3月末に改定された「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」の運用が開始されたことが大きく貢献しているといえます。
今回の改定では、届出資料の簡素化や届出確認の迅速化などの運用面の課題、糖質・糖類やエキスの取り扱いの明記などの対象成分拡大に関する課題、分析法に関する資料の開示などの情報提供に関する課題など、これまでに業界内で課題となっていた懸案を大きく改善する一歩となりました。
健康と食品懇話会は、常にこれらの課題に対する議論を独自のワーキンググループで検討を行い、その結果をもとに健康食品産業協議会並びに関連団体とも協調しながら、その中心として関係当局との話し合いを行ってまいりました。
今後も未だ解決に至っていない課題(患者データ、未成年データ、観察研究の取り扱いなど)についても積極的に関与していくとともに、安全情報に関する研究やレビューの内容など提供する質に関する情報についても研究を行っていき、機能性表示食品制度が真に国民から信頼されるような制度として発展させていけるよう、関連団体とも密接に連携しながら取り組んでまいります。
一方制度の適正化に向けて一歩一歩前進しておりますが、本来目指すべき「国民の健康寿命の延伸」を食品の立場で担っていく上には、特定保健用食品、栄養機能食品を含めた保健機能食品制度をベースに全体のあるべき姿を議論すべきだと考えます。そのためにはますます業界全体が健康食品産業協議会の下に結集して、業界全体として諸課題に取り組む体制を実質的に構築することがますます重要となってきています。引き続き関係各位のご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。