機能性表示食品の表示範囲をテーマに討論(後)
<医薬品と同じ表現を避けることが必要>
消費者庁の久保氏、厚労省の小川氏、(株)ファンケル総合研究所機能性食品研究所長・寺本祐之氏などの5人によるパネルディスカッションも行われた。
機能性表示食品の届出撤回でクローズアップされた「歩行能力の改善」の機能性文言について、意見交換を行った。ファンケルの寺本氏は、「業界関係者は薬機法の枠外にあると思っていて、安心感のあるなかで、この問題が出てきたために驚いたと思う。医薬品で同じ表現がある、肉体改造に当たる、などの考え方が指摘されている。なるべく医薬品と同じような表現は避ける必要が出てきたのではないか」と口火を切った。
これに対して厚労省の小川氏も、「医薬品で同じ表示が行われていることもあり、消費者が広告などを見て、一部が強調されていたりすると規制に触れる。医薬品的な効能効果であると誤解を生むため、(医薬品で使われている表現を)避けることが安全」とアドバイス。消費者庁の久保氏は、「『届出が公表されたから消費者庁が届出文言を認めた』と思う事業者もいるが、そうではない」と話した。
機能性表示食品の広告について、ファンケルの寺本氏は「(業界は)これまでの健康食品の広告のクセが付いてしまっている。機能がうたえるようになったが、機能だけで売れるのかという思いもある」とし、業界が抱えている問題点を指摘した。厚労省の小川氏は「届出内容よりも、広告が問題になることが多いのではないか。届出内容だけでなく、広告やパッケージにも注意してほしい」と注文を付けた。
(写真:200人以上の業界関係者が参加)
(了)