機能性表示食品の届出好調 支援スタッフ80人で300件超支援
工場全体にWi-Fiを完備
㈱三協(静岡県富士市、石川俊光社長)は、2021年度5月期の売上は前年比109%と微増。昨年はコロナ禍によるインバウンドの落ち込みなどでいくらか影響を受けたものの、今年はIT化の整備を進めることで危機をチャンスに切り替えている。
Webによる会議、Webによる商談が急激に増えたことで、工場全体にWi-Fiを完備した。対面商談ができなくとも、オンラインによる視認が可能となり、遠隔で製造現場の確認ができるようになった。工場のオンライン見学も可能となり、顧客の新人研修としても利用されているという。
OEM受託が好調
機能性表示食品の届出サポートは好調で、これまでに300件を超えている。独自の届出もすでに19件が公表されており、そのうちシステマティック・レビュー(SR)は同社で13件手がけている。
「どこがどんな製品を作って、どの企業が申請したか、今は全部分かりますから。それをお客様が見ていただいて、三協にお願いしようというかたちになりやすい」(同社)とし、OEM製品の受託数は急速に伸びている。実績を積み重ねれば積み重ねるほど、依頼は増えていくようである。信用を支えているのはオートメーション化した先端設備などのハードのほか、ソフト面に携わる80人の支援チームだ。
医学博士と薬学博士が1人ずつ。品質管理部門に30人。知的財産部門に弁理士1人。営業および営業企画部門に27人と、開発部門に20人と、80人の陣容を整えている。そのほか、本社・日の出工場、大渕工場、島根川本工場のスタッフを合わせると400人を超える。
崩壊性の適正化に注力
最近、力を入れているのが崩壊性による差別化。2019年8月、国民生活センターにより、サプリメントの崩壊性に問題ありと発表されて以来、崩壊性の研究に取り組んできた。
ソフトカプセル、ハードカプセル、シームレスカプセル、錠剤で確実に崩壊するように対策を講じた。クライアントの要望に従い、菌製剤を胃ではなく腸で崩壊させる工夫も重ねた。口の中ですばやく溶ける即溶錠の開発も。崩壊した後の吸収性の効率化など、個々のテーマに基づいた研究を行っているという。
「加速試験においてもしっかり崩壊するようにと」(同社)と、妥協しない姿勢がひときわ目立つ。
SDGsの取り組み開始
同社はSDGsの取り組みも開始したようだ。今のところ明確な製品提案はできていないが、これまでに集めた情報から、「環境に優しい、あるいは捨てるものから作られた原料」などについてSDGs処方として提案できるものを準備中だという。これは10月に開催された食品開発展でも紹介した。
また、今年5月にハードカプセル製造とボトル充填ラインで認証取得したハラル認証について、ソフトカプセル剤、錠剤、顆粒剤へと展開していきたいとしている。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:静岡県富士市伝法573-13(本社)
静岡県富士市伝法3178-1(日の出工場)
静岡県富士市大淵2362-1(大渕工場)
島根県邑智郡川本町大字南佐木993-1(島根川本工場)
TEL:0545-54-1248
FAX:0545-54-1138
URL:http://sankyohd.com
事業内容:健康食品・化粧品の受託製造
(冒頭の写真:日の出工場)