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機能性表示食品の「花粉」広告(後)

<懸念される制度の信頼失墜>

 届出表示を見る限り、機能性表示を行う際には、(1)「花粉」「ホコリ」「ハウスダスト」を同列に扱う、(2)機能性は「鼻の不快感を軽減」にとどめる――ことが要件。特に「花粉」「ホコリ」「ハウスダスト」を同列に扱うことは、行政側が重視している点だ。

 だが、『ディアレ』のインターネット広告を見ると、「花粉」を強く印象づける内容となっている。

 インフィード広告、記事、公式通販サイトへと飛んだ消費者は、この商品が花粉症に有効であると誤認しないだろうか。同社に聞いてみた。

 同社は、インフィード広告のタイトルの「花粉用サプリ」という表示について、「花粉単独使用は問題ありますので、広告代理店を指導いたしました」と回答。しかし、記者が確認したところ(4月3日午前)、今度は「花粉の季節、ティッシュ詰めるのやめました」などの表示が見られた。

 また、「花粉」の文言の使用については、「関係省庁等に花粉文言の使用についてアドバイスなどをいただいております。花粉単独使用における医薬品誤認が懸念点であり、社内ルールとして花粉単独使用はNGとして運用を行っております」と回答している。

 「花粉」だけを表示することは、当然NGとなる。さらに言えば、「ホコリ」「ハウスダスト」の文言を記載したとしても、写真やイラストも含めて「花粉」を強く印象づけた場合、消費者に花粉対応の商品であるという誤認を与えかねない。

 届出表示に「花粉」の文字を認めると、花粉症に有効と誤認させる広告が懸念される――このことは、以前から「ウェルネスデイリーニュース」で指摘してきた。

 企業コンプライアンスを重視する大手であっても、前述のようなミス(「花粉用サプリ」の表示)を犯す。「ホコリ」「ハウスダスト」よりも、「花粉」を強調する傾向も否定できない。今後、中小の通販企業などが同様の届出を行うようになれば、消費者を誤認させる広告が氾濫するのは必至。

 グレーゾーンの広告が増えると、制度自体の信頼性が揺らぎかねない。「花粉」の表示については、行政や業界団体などで再考する必要があると考えられる。

(了)

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