機能性表示食品の「花粉」広告(前)
<「花粉用サプリ」と標ぼう>
届出表示に「花粉」の文字が初めて入った機能性表示食品のサプリメント『ディアレ』。キユーピー(株)(東京都渋谷区)が届出を行い、1月24日から販売を開始した。届出表示は「…(略)花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減することが報告されています(略)…」。しかし、同社の広告を見ると、まるで花粉症に効果があるかのような印象を受ける。
インターネット上の広告を見ると、少なくとも3月27日頃まで、インフィード広告のタイトルで、「キユーピーが開発した花粉用サプリが凄い」の表示が見られた。
クリックすると、『ディアレ』に関する記事が出てくる。最初のページには、「花粉やホコリなどの準備、できていますか?そろそろ嫌な季節ですよね。人によってはもう鼻がグズグズしているかもしれません。私も毎年、花粉が飛び回り始める時期くらいから、すぐにグズグズし出して悩んでいます」と記載。杉の木と思われるイラストもある。
少しスクロールすると、同社社員による質疑応答が出てくる。
「──早速ですが、ディアレに入っている『酢酸菌(さくさんきん)』は、一般的な乳酸菌や納豆菌とは違うと聞きました。実際にはどういうものなんでしょうか?」。
「結論からお伝えしますと、酢酸菌は鼻グズを軽減してくれる菌です(酢酸菌とはお酢を作る菌のこと)。しかし、そもそも花粉に反応する人としない人っていますよね。その違いは何か知っていますか?」――などと続く。
記事中にある「詳しくはこちら」のボタンをクリックすると、今度は同社の公式通販サイトへ飛ぶ。公式通販サイトの冒頭には、「花粉、ホコリ等の鼻グズに。酢酸菌パワー体感!」のキャッチコピーとともに、花粉が飛び散っている写真、鼻水を垂らす人とティッシュペーパーのイラストを掲載。
さらに、申し込み画面を挟んで、「2020年の春は花粉の飛散量が少なくてよかったと…油断していませんか!」、「花粉の飛散量は10年前と比較して2倍以上に増加!」と表示。合わせて、花粉飛散総数平均値の推移を表すグラフなどを掲載している。
そうした画面のさらに下まで行くと、ようやく花粉以外の「ホコリやハウスダスト 鼻グズ…休まらない…」の記載が登場する。
(つづく)