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機能性表示食品にプラセボ対照試験は不適 唐木氏、「機能性表示食品に関するQ&A」の改定訴え

 ウェルネスニュースグループ(WNG/東京都港区)はきのう13日、東京大学名誉教授で食の信頼向上をめざす会代表の唐木英明氏を講師に招き、機能性表示食品の届出セミナー「プラセボ対照試験で有意差が出ない原因は?」をオンラインで開催した。同セミナーは、9月14日にWNGが主催した「日経クロステックの記事を検証する~業界はどう答えるのか?」の第2弾。大手食品・薬品メーカー、学識経験者など多数が参加した。聴講者から寄せられた多くの質問に対し、唐木講師は理路整然と答えた。

日経クロステックが機能性表示食品制度を批判 

 今年8月、技術系メディア『日経クロステック』による機能性表示食品制度への批判をきっかけに、同制度における統計の誤用問題が広く問題視されるようになった。このような傾向は、ASCON科学者委員会が行っている届出資料の評価結果でも顕著に表れている。
 これに対して唐木氏は、そもそも医薬品に比べて効果の出にくい機能性表示食品の開発において、ガイドラインが推奨するプラセボ対照試験は不適切と指摘。「プラセボ対照試験」自身が持つ欠陥について具体的に解説し、その対策として「無処置対照試験」の有用性を説明した。

機能性表示食品ガイドラインは無処置対照試験も肯定

 機能性表示食品制度で無処置対照試験を採用する可能性に言及した唐木氏は、「『機能性表示食品の届出等に関するガイドライン』には、特定保健用食品の試験方法に拠らなくても機能性の実証が可能な場合については、科学的合理性が担保された別の試験方法を用いることができるとの記載がある」とし、その方法として「対照(プラセボ、何もしない等)」との記述があると説明。
 他方、「『機能性表示食品に関する質疑応答集』(Q&A)には問45の『機能性について試験食摂取群とプラセボ食摂取群との群間比較の差(有意差検定)で評価する必要はあるか』との問いに対して、『最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)を科学的根拠とする場合は、試験食摂取群とプラセボ食摂取群との群間比較により肯定的な結果が得られる必要がある』との記述も見られる。これはガイドラインと矛盾する」と指摘した。そして、質疑応答集(Q&A)の改定の必要性を訴えた。同氏は今後、機能性表示食品の試験法として何を推奨すべきかについて議論を重ね、結論を得る必要があるとし、有識者らを交えた「健康食品試験法研究会」を設立し、議論を深めていくことを明らかにした。事務局はウェルネスニュースグループに置く。

(冒頭の写真:Q&Aの改定を訴える唐木英明氏)

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    :機能性表示食品、SRは大丈夫?(前)
    :機能性表示食品、SRは大丈夫?(後)

    :セミナー「日経クロステックの記事を検証する~業界はどう答えるのか?」

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