機能性表示食品で地域貢献
付加価値を高めSDGsにも対応
「ヘルシーDo」ダブル表示へ
㈱ユニアル(東京都板橋区、原高明社長)は、クマ笹のパイオニア企業として1945年に創業、2005年に設立し、今年16年目を迎えた。
グループ会社の㈱ユニアル・ライフサイエンス(北海道札幌市)の機能性表示食品『クマ笹青汁』(届出番号:F1017)が4月、消費者庁によって届出公開された。祖父の代から受け継がれる国産素材の機能性解明と地域貢献を目指す。原英郎専務に話を聞いた。
同社のグループ会社㈱ユニアル・ライフサイエンス(北海道札幌市)では4月20日、機能性表示食品『クマ笹青汁』が届出公表された。
開発から届出公表までにじつに4年を要した。便秘傾向の成人男女(20~60歳)77人(被験食群38人、対照群39人)を対象にした臨床試験で、クマイザサ由来ホロセルロースを含むクマイザサ粉末4.2g摂取群と、プラセボ群(クマイザサ由来ホロセルロースを含まない食品の摂取群)とに分け、それぞれの食品を2週間摂取後、「排便回数」、「便の臭い」の評価、「お腹の調子」をはじめとするVASアンケートを実施し、青物素材としては我が国では初めての公表となった。
可能な機能性表示は「本品にはクマイザサ由来ホロセルロースが含まれ、便秘傾向の方の便の状態(便の臭い)を整え、お通じ(排便回数)を改善することでお腹の調子を整えます。お腹の調子をすっきり整えたい方に適した食品です」。
表示のなかで3つの機能性が期待されており、便臭に期待した表示は初めての快挙だった。また、10月には研究レビューに基づく『クマ笹青汁 SR(えすあーる)』(G591)も公開されており、今後、OEM受注を加速させる予定だ。さらにクマイザサ粉末を使用した別製品『笹青汁』は一昨年、北海道食品機能性表示制度(ヘルシーDo)の認定も受けているため、SRと組み合わせることで同表示とのダブル表示も視野に入れている。
機能性表示食品制度の施行にともない、自治体認証の存在意義が薄れたとの見方が広がるなか、同社の原英郎専務は「国産原料をやる以上は利益を産地に還元するというのが基本スタンス。地域貢献は企業の使命」と言い切る。
SDGsは原家の遺伝子
最近、SDGs対応原料に関する問い合わせも増えた。
「国内の地域の利益は地域に還元する」これが同社の方針。昭和30年初頭、小さいながらも祖父の時代からSDGsの考え方を引き継いできた同社は、地域で素材を発掘して育てる。地元の大学との共同研究によって地元の企業と一緒になって、原料の持つエビデンスを解明する。
同社の原料を使ったどこかの企業が販売した商品を、見知らぬ国の見知らぬ人が食べるようになったというのではなく、「地元で開発した国産原料を使用した、あなたの会社がこれを採用したことで、この町のこの企業のこの人が、じつは後期高齢者なのだけど雇われることになりました。では会いに行きましょう」、「私たちがこの仕事に携わったことで、ここに工場ができた。
そしてここで働く人が3人増えた」(原専務)と、「目に見える、顔の見えるつながりをSDGsの効果として実感できる仕事を会社が一丸となって実践していきたい」という。
ジャパン・ハーブを世界へ
現在、国内の食品メーカーにより、クマ笹豆乳プリンやクマ笹フィナンシェ、クマ笹アイスクリームなど、サプリメント以外の一般加工食品が数多く作られている。
一般食品の応用も含めたコンテンツを、地元の企業と一緒にタイアップしながら開発する現場では、産学官による取り組みのなかで、地元の人たちが商品で得た利益を地元に還元することができる。国産素材を扱っている販売会社が、CSR(Corporate Social Responsibility)に基づく企業の社会的責任を果たす姿が、地域を囲んだ循環のなかでこそ目に見えるという。
さらに、地域が持つ食経験や文化伝統を国内だけではなく、「メイドインジャパン・ハーブ」を海外でも戦うことのできる十分な武器として広げていく。
「機能性表示食品制度が運用されていくなかで、一定のエビデンスを持っている原料であるというのは共通認識として、そのなかで付加価値のある商品を購入する消費者も、そのような商品を消費することで社会貢献志向を高めるという意識がいずれ求められてくるのではないか。今後もユニアルという会社の付加価値を表現しながらしっかりPRしていきたい」という。
<COMPANY INFORMATION>
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(北海道生物資源イノベーションセンター)
TEL:03-5248-7566
E-mail:info-unial@unial.co.jp
URL:http://www.unial.info
事業内容:健康食品の原料販売、OEM受託