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機能性表示食品「事後チェック指針」、消費者庁担当官が解説(前)

<公表済み届出にも適用、放置せず撤回も>

 健康食品業界の5団体が28日に都内で開いたセミナーで、消費者庁の担当官が講演とパネルディスカッションを通じて、「機能性表示食品の事後チェック指針」を解説した。

 消費者庁食品表示企画課保健表示室の森田剛史室長は、科学的根拠と表示は密接に関係すると説明。事後チェック指針は「適切と考えられない“黒”の事例を示した」ため、「指針で示された事例に該当しないならば大丈夫かと言うと、そうではない」と注意を促した。「グレーの部分は個別事例ごとに判断する」とし、従来と同様の対応を取る方針を示した。

 森田室長は、既に公表済みの届出についても、事後チェック指針を順守しているかどうかを確認する考えを述べた。順守していない届出が見つかった場合には、「(不適切なケースに)明らかに該当する届出を放置できないため、撤回を求める」と話した。

<第三者機関の回答を消費者庁で活用>

 消費者庁表示対策課の田中誠特命室長は、機能性表示食品の広告の留意点を解説した。広告で違反しないために、各事業者で「消費者目線を持つ仕組みが必要」とアドバイス。重要となる注意点として、医薬品的な効能効果の表示を避けることを挙げた。「医薬の世界に入らないように、きれいにすみ分けする必要がある」と強調した。

 今後の課題として、キャッチコピーなどの言い切り表現のルール化を挙げた。「〇〇サポート」「〇〇を助ける」といった文言を省いて、ストレートに「血圧」「血糖値」などと表現すると、消費者に医薬品であるかのように誤認させると指摘。今後、業界でルールを設ける必要があると提言した。

 田中特命室長は、業界が今後設置する第三者機関についても言及。第三者機関では、事後チェックで浮かび上がった科学的エビデンスのグレーな部分を判断する。その回答を参考にして、消費者庁が最終判断を出すという流れをイメージしている。第三者機関はアカデミアで構成。業界団体が運営し、「消費者庁は関わらない」と説明した。「業界が客観的にジャッジする組織を作るのであれば、その意見は消費者庁にとっても活用できるという発想」と話した。

 科学的エビデンスについて第三者機関が妥当と評価するなど、「客観的な評価によって合理性を欠いているものではないと判断される場合」には、景品表示法上の問題にならないと説明した。

(つづく)

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