機能性表示対応素材、拡充進む
オリザ油化 9素材15ヘルスクレームに
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)が届出サポートを手掛ける機能性表示食品対応素材とヘルスクレームが増えてきた。3月25日時点で9素材15ヘルスクレームを数える。直近では、コーヒー生豆由来クロロゲン酸類についてダブルヘルスクレームを可能にした。届出手続きを進めている新規の機能性関与成分も複数ある。機能性表示食品の届出サポートに関する同社の最新動向をまとめた。
尿酸値ケアに引き合い 約30件まで増加
現在、オリザ油化が届出サポートを行う機能性表示食品対応素材は、植物由来セラミド(グルコシルセラミド)からGABAやルテイン(エステル体)まで計9素材。可能なヘルスクレームは、美容からアイケア、肝機能ケア、ウエイトコントロール(体重管理)まで15種類に上る。
このうち、特に届出サポート件数が伸びている機能領域が尿酸値ケアだ。
「尿酸値が高め(5.5mg/dL超~7.0mg/dL未満)な方の尿酸値を下げる機能が報告されています」といったヘルスクレームを行うもの。同社の独自素材「菊の花エキス」に含まれるルテオリンを機能性関与成分とする。
2019年度以降に届出が本格化し、現在までに約30件に達した。21年度に入ってからも堅調に伸びており、ここにきて目立つようになったのは、内臓脂肪など体脂肪の減少をサポートする機能性関与成分と組み合わせるかたちでダブルヘルスクレームを行う届出。体脂肪、尿酸値ともに気になる中高年男性が少なくない中で、組み合わせによって訴求力を強めた格好だ。「今後まだまだ増えていく」と同社担当者は話す。
コーヒー由来成分で体重減少サポート
一方、肥満気味の人の内臓脂肪や体重の減少サポート機能を新たに訴求できるようにしたのが「生コーヒー豆エキス」。03年に発売したもので、これまでに国内外で採用実績がある。缶コーヒーの原材料として利用されたこともある素材だ。
同素材の規格成分でもあるクロロゲン酸類を機能性関与成分にするかたちで、以前から届出サポートを進めていた既存ヘルスクレームである「高めのBMIの改善に役立つ」機能(1日あたり摂取量180mg)について、研究レビューを再度実施した上で、「肥満気味の方の内臓脂肪や体重の減少を助け、高めのBMIの改善に役立つ」機能(同180mg)と記載できるようにした。また、血糖値に関する研究レビューを実施し、食後血糖値の上昇抑制機能(1日あたり摂取量120mg)についても表示できるようにした。
この新たな届出は3月7日に公開されたばかり。同社では今後、1つの素材で食後血糖値の上昇抑制機能と、体重減少サポートなど体重管理機能のダブルヘルスクレームに対応できることをアピールポイントにしながら、機能性表示食品の拡充を考える最終製品販売会社に対して積極提案を進めたい考えだ。2010年以降、生コーヒー豆エキスについて「ダイエット組成物」を発明名称とする特許権を日本(特許第4499665号)や欧米、香港で取得していることも強みにする。
排尿ケアなど追加目指す
オリザ油化が製造販売するサプリメントや機能性食品向け原材料のユーザーは、現在までに国内から欧米、アジア諸国まで広がりを見せている。その中で21年の業績は、化粧品向け原材料などの売上高も含めて前年比増収で着地。日本市場に関しては、新型コロナ禍で需要が高まった米油の他、菊の花エキスなど機能性表示食品対応素材の拡販が増収要因となった。
そのため同社では今後、機能性表示食品対応素材をさらに増やしていく計画。現在、美容素材のトマト種子エキス、排尿ケア素材のシーベリーエキス、メンタルケア素材のパッションフラワーエキスなどに含まれる機能性関与成分について、同社として届出を行い、最終商品販売各社への届出サポートを実行できるようにする準備を進めている。
「新規性のある機能性表示食品を求めるお客様も多い。ニッチな素材、機能も含めて幅広く届出支援を行えるようにしていきたい」と同社担当者は話している。
【石川太郎】