機能性支援300社超
ケミンジャパン前年比売上30%増
プロに認められる素材に
ケミンジャパン㈱(東京都千代田区、橋本正史社長)は、ルテイン原料『FloraGLO®』を長年にわたって供給しているルテインのトップメーカー。これまでルテイン市場の機能性研究をリードしてきた。売上は前年比30%増。今年、『FloraGLO®』25周年、ヒューマンニュートリション部門20周年を記念して、啓発書『医学界も認めたルテインのちから』を出版した。
ルテインを機能性関与成分とした機能性表示食品の約半分を同社がサポートしている。ルテインに関しては、機能性表示食品制度が施行されてから急速に認知度を上げ、今も好調に推移している。機能性表示食品でサポートした企業は300社を超え、届出件数は50件以上に上る。「最近は正確な記憶がない」(橋本正史社長)というほど。
同社のマーケティング手法は、単純な原料販売ではない。原料を使用している販売店の支援が主な業務で、ルテインの良さを伝えながら顧客が抱える課題についてその解決策を一緒になって考え、販社が開催する説明会でプレゼンテーションの支援を行ったりする。
市場に多くのルテイン製品が上市されていることから、差別化を図るために商品にケミンのロゴタイプの使用を許可してアピール。他社製品との差別化を図るなどのさまざまな支援活動を行っている。
「プロに認められてから、徐々にマーケットを広げていく」(橋本社長)のが同社の基本戦略。2021年4月18日に開催された東京眼科サミット2021(坪田一男会長)では、「妊娠、乳児期、小児期におけるルテインとゼアキサンチンの役割の調査」について研究報告を行った。
こうして「学会専門の人たちがいるところで発表するのがケミンのやり方。目の方は目の方で機能性表示が伸びてきているのだが、脳の方でもエビデンスを取得している。来年も発表する予定だが、全世代をターゲットにした研究を進めている」(同)とし、子ども、乳幼児、さらにそれに関わっている妊婦や母親からのニーズも高まりをみせている。
目と脳というのは本来、関係性が強い。「目から脳まで、高齢者の問題ではなく、乳幼児が早い時期から食事を通してルテインを摂取するという流れが生まれている」という。
アジアでパートナー企業求む
売上は前年比30%増と好調に推移している。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアパシフィックに展開しており、保有する市場は各々ほぼ3分の1ずつの割合。ヒューマンニュートリション部門では、橋本代表以下の5人が、日本と台湾、マレーシアをカバーする。なかでも日本は最も大きな市場だが、台湾もそれに匹敵する市場に成長している。
「台湾の健康食品市場は日本の10分の1ぐらいと言われてるいるが、それからすると、すでに数量が日本に近いぐらい」と、台湾の成長に大きな期待を寄せる。
同社はほかにも、ユーグレナ由来成分「ベータヴィア コンプリート」、マリーゴールド由来成分「ゼアワン ゼアキサンチン」、ジャガイモ由来成分「スレンデスタ」、スペアミント由来成分「ニューメンティクス」などの原料を扱っている。
なかでも「ニューメンティクス」は脳機能に期待する成分で、スペアミント由来ロスマリン酸を機能性関与成分とした届出が公開されている。
また昨年、「日本脳サプリメント学会」で取り上げられたことで、大手通販会社が医療機関向けの商品として販売を開始した。
来年へ向けた課題の1つは「免疫に期待する機能性表示食品の届出」。また、企業の課題としては、アジアパシフィックにおけるライセンシング、M&Aなどのパートナーシップを課題とする。
人の栄養に関する機能性素材を使っている企業について、販売・マーケティング・製造に限らず、他企業との提携を求めているという。
「リサーチしてディベロップメントするという時に、自分たちでゼロから開発するというのは大変なこと。ディベロップメントのところで、パートナーが組めるところがないか、探している」という。
同社は11月、啓発書『医学界も認めたルテインのちから』(エスクリエート刊)を発行した。同社とルテインの歩みが一望できる。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区五番町12(本社)
TEL:03-3239-2521
E-mail:Masafumi.Hashimoto@kemin.com
URL: https://www.kemin.com
事業内容:健康食品と化粧品の原料供給
(冒頭の写真:『医学界も認めたルテインのちから』エスクリエート刊)