果物摂取量が多いと膵がんのリスク低下
<一方、野菜摂取量が多いとリスクが増加>
果実の摂取により膵がんのリスク低下につながることが、(国研)国立がん研究センターの社会と健康研究センターが16日公表した調査結果からわかった。
調査は、1995年と98年に全国10地域に在住していた45~74歳の約9万人の男女を対象に、2013年まで追跡。追跡期間中に577人が膵がんを発症した。食品摂取頻度調査を基に、17品目の果実と29品目の野菜の摂取量によって4グループに分類。膵がんに罹患するリスクについて、摂取量が最も少ないグループとその他のグループを比較した。
その結果、果物摂取量が最も多いグループは最も少ないグループと比べて、膵がんの罹患リスクが低下していた。柑橘類に限定しても、ほぼ同様の結果となった。特に非喫煙者の場合に、その傾向が明確となった。
一方、野菜摂取量について見ると、最も多いグループでは最も少ないグループと比べて、膵がんの罹患リスクが増加していた。
今回の研究は、日本人を対象としたものとしては最大規模だが、症例数が多くなかったことから、偶然の結果の可能性も否定できないとしている。