＜化粧品事業を拡大　唯一無二の企業目指す＞

――化粧品事業も強化していくとのことですが。

髙垣　当社はもともと化粧品受託からスタートしました。おかげさまで今では健康食品の案件を数多く受託していますが、当社の規模で化粧品と健康食品を製造できる企業は今のところないと思っています。化粧品の規模・知名度をより拡大することで唯一無二の企業になりたいと考えております。健康食品同様に、化粧品においても医薬部外品などの研究開発型の製造を得意としておりますので、製剤技術などのスキルをブラッシュアップさせていきたいと考えています。前期においては、ナイアシンアミドの部外品に早くから取り組みました。今後さらに伸びてくると思います。今期以降も非常に期待しています。

――独立した部門に育てていきたいということですか。

髙垣　現在は、インテリジェンスパーク（佐賀県鳥栖市）のなかに、一部化粧品製造のラインを置いている状況ですが、将来的には健康食品に匹敵する規模の工場を建設できるよう、一丸となって取り組んでいます。健康食品としても化粧品としても、受託製造においてトップレベルに引き上げていきたいと考えています。安全性や品質面では取り組むことは同じですが、食べるものと体につけるものということで製造するものが違いますので、難しい点はありますが、お互いの相乗効果はあると思います。また、健康食品でも美容系のサプリメントやドリンク、さらには化粧品をラインナップとしてそろえる会社も多く、実際、当社のクライアントから、健康食品と化粧品の両方を一手に対応してもらいたいという要望も多くあります。そうしたリクエストに対応することで、既存のクライアントや新規のお客様の期待に応えていきたいと思います。

＜新会社「㈱東洋フーズ」を設立＞

――グループ内での立ち位置を教えてください。

髙垣　これまでに多くの事業者様より、当社の研究開発力や品質管理基準、事業全般にわたるトータルサポート体制をご評価いただいておりますが、一方で、「製造だけを任せたい」「企画や試験は自社で行いたい」 というニーズも増えております。そのような事業者様に対し、グループで培った製造ノウハウを生かし、より安価でスピーディーな製造をご提供するため、このたび健康食品のOEMに特化した新会社を設立しました。まだ、割合としてはODEMの案件の方が大きい状況ですが、OEMの相談も増えつつあります。今後の規模拡大に期待しています。

＜昨年7月に物流拠点「関東ロジスティックス」を開設＞

――物流支援事業について現状はいかがでしょうか。

髙垣　昨年7月に、埼玉県川越市の自社物流拠点で、BtoC物流事業を始めました。1年が経過し、おかげさまで多くの案件を取り扱わせていただいております。スタートアップの企業も多いですが、物量が確実に増え、成長している企業も増えています。在庫調整から保管、ピッキング、検品、流通加工、配送代行を当社が一貫して受けることで、クライアントの物流業務のコスト削減が実現できます。工数が削減されることで、消費者への配送リードタイムの短縮も期待できます。製造を受託しているクライアントにつきましては、商品の開発・製造から消費者への配送までワンストップで受託しますので、メーカー直送体制を実現できます。現在は、佐賀県鳥栖市の本部にも物流拠点を設けており、西日本地域のクライアントや同地域への配送拠点としてご活用いただいております。

――クライアントからの反応はいかがでしょうか。

髙垣　製造から配送まで一気通貫で行えることのメリットが大きく、大変ご評価いただいております。もちろん、配送コストや配送のリードタイム短縮を理由にした依頼は多いですが、それ以外に、BCPの観点から依頼いただくケースが増えています。台風の上陸や大雨、地震など、いつどこで何が起こるかわからない世の中です。どのような状況でも継続したビジネスが展開できるよう、拠点の分散化を重要視する企業が増えています。当社としては、現在の埼玉、佐賀の拠点だけでなく、状況を見ながら各地への拠点拡大も検討していきます。

――ありがとうございました。

＜COMPANY INFORMATION＞
所在地：福岡県福岡市博多区博多駅前2-19-27九勧博多駅前ビル（本社）
佐賀県鳥栖市弥生が丘7-28（本部・鳥栖工場）
TEL：0942-81-3555（本部）
FAX：0942-81-3554（本部）
URL：https://www.toyoshinyaku.co.jp
事業内容：健康食品・化粧品・医薬品・医薬部外品の受託製造

（冒頭の写真：髙垣欣也副社長、記事中の写真：インテリジェンスパーク）
【聞き手・文：藤田　勇一】