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東洋新薬、三相乳化エマルションの良好な使用感と機能性について発表

(株)東洋新薬(佐賀県鳥栖市、服部利光社長)は2日、日焼け止めやリキッドファンデーションなどの化粧品製造に三相乳化法を適用することで、良好な使用感や高い機能性の両立を実現できることを確認し、10月21日~30日にオンライン開催された「IFSCC Congress 2020 YOKOHAMA」(第31回国際化粧品技術者連盟 横浜大会)で発表したと報告した。

 国際化粧品技術者連盟(IFSCC)は、日本化粧品技術者会(SCCJ)の上部組織で、世界各地49のSocietyが加盟しており、総会員数は約1万6,000人。年に1度、各国の化粧品技術者が最新の研究成果を発表・討論する国際学術大会が開催される。偶数年に開催される大会では、各国の化粧品技術者が一堂に会し、最新の研究成果を発表し活発な討論が行われる。第31回目となる本大会は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴いオンラインで開催された。

 日焼け止めやリキッドファンデーションなどの化粧品にとって、塗布時の均一性や効果の持続性、高い耐水性などは重要な機能。そのため、多くの商品で油中水型の処方が使われるが、油分特有のべたつきや閉塞感など、使用感についての課題がある。一方で、水中油型の処方は、使用感は良好になるものの、耐水性や塗布時の均一性などについては課題が残り、良好な使用感と高い機能性の両立の実現が望まれてきた。

 三相乳化法は、従来使われてきた界面活性剤の化学的使用による乳化ではなく、柔らかい親水性ナノ粒子の物理的作用(ファンデルワールス引力)を利用し、O/W型乳化物に調整する方法。親水性ナノ粒子は不可逆的に付着するため、外的環境の影響を受けずに安定性を保ち、皮膚などの表面に均一に付着する性質を持つ。そうした性質を生かし、同社では三相乳化法の日焼け止めやメイクアップ化粧品への応用を試みた。

 その結果、三相乳化法を応用した化粧品は油のべたつき感が少なく、優れた成膜性が得られた。また、スキンケアで求められる高保湿性を得やすく、高いUV防御性をより少ないUV防御剤で実現できる可能性も示唆された。
同社によると、「三相乳化エマルションで得られる高い撥水性やサンスクリーン製剤による高い機能性は、三相乳化によるO/Wエマルションが外界の影響を受けにくいため、均一に付着しやすく、かつ塗布後は皮膚上に均一な油膜を形成すると推察できる」としている。

 問い合わせは、(株)東洋新薬 広報室(TEL:03-3238-0504、E-mail:koho@toyoshinyaku.co.jp)まで。

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