東北大の研究グループ、ホエイプロテインが糖尿病を予防
東北大学未来科学技術共同研究センターの研究グループは7日、乳清タンパク質ホエイプロテインの摂取が、高脂肪食などの摂取による2型糖尿病の発症予防に役立つことが示唆されたとする研究結果を発表した。
これまでに、高脂肪食をマウスに与えると、肥満・糖尿病を生じる前に、早期からインスリン感受性を高めるホルモン「FGF21」の血中濃度が増加することを明らかにしている。FGF21は、肥満・2型糖尿病の発症を促す食習慣を反映させるバイオマーカーとしての役割が期待されるという。
研究により、末梢由来セロトニン分泌を遺伝子工学的に抑制させたマウスでは、肝FGF21の発現と血中FGF21濃度が低下することが判明。また、高脂肪食とともに乳清タンパク質ホエイプロテインをマウスに投与すると、高脂肪食による末梢由来セロトニンと肝臓由来FGF21 の分泌増加が抑制され、インスリン抵抗性と高血糖が改善された。
乳清タンパク質ホエイプロテインは末梢由来セロトニン分泌を抑制し、肝臓からFGF21分泌を抑制することで、インスリン抵抗性を改善し、高血糖を抑制することが示唆されたという。研究グループでは、そうしたメカニズムによって、ホエイプロテインの摂取で食事性糖尿病の発症の予防が期待されるとしている。