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景表法検討会スタート 年内まで 
デジタル社会における表示規制のあり方 「総合的に議論」

 デジタル化の進展など社会環境の変化を踏まえた景品表示法の見直しの必要性などを総合的に議論する有識者検討会の第1回を、消費者庁が16日、オンライン開催した。

 景表法は、消費者を誤認させる不当表示や過大な景品類の提供を規制しているが、今回の検討会では、主に不当表示をターゲットに議論を進める。2022年末までに報告書をまとめる。

 冒頭挨拶に立った消費者庁の伊藤明子長官は、「景表法の目的である、一般消費者による自主的かつ合理的な商品・サービスの選択を確保するためには、表示が適正であることが極めて重要」だと指摘。その上で、今回の検討会の目的について、「平成26年(2014年)の景表法改正から一定期間が経過したことに加え、国民生活におけるデジタル化の進展など、景表法を取り巻く社会状況の変化も大きくなっている。こうしたことを踏まえ、総合的な検討を行うため開催することにした」などと述べた。

 現行法では、不当表示を行う「主体」以外は規制できない。だが、デジタル化の進展に伴うアフィリエイト広告などの拡大を受け、不当表示の供給主体が揺らいでいる。また、電子商取引を通じて消費者の越境商品購入が増加しているが、景表法で海外の事業者を規制することは、日本に拠点がない限り不可能だ。さらに、措置命令を行うためには、時間をかけた綿密な調査が求められるが、ウイルスのまん延など緊急事態時に増加する不当表示の迅速な排除も求められるようになっている。こうした社会環境の変化を受けて立ち上がってきた景表法を取り巻く種々の課題解消に向けた議論が、今後進められる見通しだ。

 検討会委員の布陣は計8人。産業界代表(日本経済団体連合会)と消費者代表(全国消費生活相談員協会)がそれぞれ1人ずつ、残り6人は法学者と弁護士が占める。座長には、アフィリエイト広告に関する検討会でも座長を務めた中川丈久・神戸大学大学院法学研究科教授が就いた。

 次回は来月14日に開催。第3回までは、広告表示に関する消費者相談に対応する機関や、海外の表示規制に関する専門家など識者の他、消費者庁発足まで景表法を所管し、景表法の「親法」ともいえる独占禁止法を所管する公正取引委員会へのヒアリングを行う予定だ。

 景表法(不当景品類及び不当表示防止法)は1962年(昭和37年)に制定された。今年で60年が経過する。14年の法改正では、不当表示の主体に金銭的不利益処分を科す課徴金制度を導入する大きな改正が行われた。

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