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春ウコン、活性成分を同定 
coronarin Dに強い活性 早大研究グループが論文発表

神経幹細胞からアストロサイトへの分化誘導促進

 健康食品の原材料などとしても利用される春ウコン(Curcuma aromatica)に含まれる生物活性成分を3種類同定した上で、そのうち1つの成分に、神経幹細胞からアストロサイトへの分化誘導を強く促進する活性があることを早稲田大学の中尾洋一教授らの研究グループが細胞試験で見出し、研究成果をまとめた論文が米国化学会誌に今月初旬、掲載された。早稲田大がこのほど発表した。

クルクミン以外の有効成分を探索

 同定した3種類のうち「coronarin D」という成分に、アストロサイトへの分化誘導活性を見出したという。アストロサイトは、神経ネットワークの構造維持や、各種神経伝達物質のやり取りに関与し、脳の機能維持や可逆性を調整する役割があるとされる。

 秋ウコンに比べて研究が遅れている春ウコンについて、in vitro神経分化誘導システムを使ってクルクミン以外の活性成分の探索を行う研究を行った。論文は、『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に今月4日付でオンライン掲載された。

 研究成果を受けて、研究グループは、「神経幹細胞のアストロサイトへの分化を調節する食品についての研究は限られている。春ウコン由来のcoronarin Dの作用機序解明が進めば、神経変性疾患に苦しむ患者を救う医薬品開発や、食事やサプリメントを通じた加齢に伴う神経変性疾患の予防を通して、健康寿命の延長に貢献できると信じている」とコメントを出した。

 ウコン由来の有効成分としてはクルクミンが知られる一方、「その他の有効成分の探索および機能解析は限られていた」と研究グループでは指摘。「クルクミンには神経幹細胞の増殖やニューロンへの分化を促進する作用が知られているが、それ以外の神経幹細胞の増殖、分化調整機能については深く研究されていなかった」という。

 同研究グループが発表した論文名は次の通り。

「Coronarin D, a Metabolite from the Wild Turmeric, Curcuma aromatica, Promotes the Differentiation of Neural Stem Cells into Astrocytes」。

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