明治、子どもの気道閉塞シミュレーション結果を発表
㈱明治(東京都中央区、松田克也社長)は24日、子どもの気道閉塞シミュレーション結果を発表した。子どもが豆を口に入れて走った場合の誤嚥シミュレーションを、「Swallow Vision®」を活用して行った。結果は、8月19~21日に開催された「第26・27回 合同学術大会 日本摂食嚥下リハビリテーション学会」で発表した。
昨年、同社と武蔵野赤十字病院は、消費者庁消費者安全課から「嚥下シミュレータを使用した子どもの気道閉塞シミュレーションおよびイメージ動画の制作業務」を共同受託し、今年の節分に向けて、食品による気道異物がなぜ起こるのかを、保護者や教育・保育従事者にわかりやすく伝えるための気道閉塞シミュレーションを実施した。
「Swallow Vision®」は、同社と武蔵野赤十字病院が共同開発した、4次元嚥下コンピューターシミュレーションシステム。通常見ることができない飲み込む時の身体の動きと食品の流れを、コンピューター上でリアリティのある画像として見ることと、仮想の実験(コンピューターシミュレーション)ができる。
シミュレーションは、4歳児の口腔から気管支までの形状と運動をコンピューター上で再現した「生体モデル」と、節分豆の形状と物性をコンピューター上で再現した「食品モデル」を組み合わせることで実施。また、食品を口に入れた状態で他の行動を起こした場合のシミュレーションを行うために、モーションキャプチャを使った動作の計測を行い、走ることによる加速度、床を転がることによる重力方向の変化をシミュレーションに導入した。
結果として、①豆の1粒でも破片でも誤嚥や窒息事故が起こりうる。②気管内に侵入した豆は右の気管支を閉塞し、臨床的な所見と一致していた。③豆を口に含んで走る、転がるといった行動をすると、気道閉塞を引き起こしやすいという結論に至ったという。
同社では、「これらの研究を商品の開発に生かすとともに、重篤な窒息事故低減に向けた取り組みを継続する」としている。