日清オイリオ、売上28.6%増 付加価値商品の拡販に注力
日清オイリオグループ㈱ (東京都中央区、久野貴久社長) はこのほど、2023年3月期決算短信(22年4月1日~23年3月31日)を発表した(連結)。売上高は前年比28.6%増の5,565億6,500万円、営業利益は同38.7%増の161億8,600万円だった。
同社グループは「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針の下、中期経営計画「ValueUp+」(21年度―24年度)に取り組んでいる。6つの重点領域で設定したCSV目標を成長ドライバーとして成長路線を加速させると同時に、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じた持続的な成長を目指している。
油脂の業務用販売については、原材料価格が高騰する中で販売価格の改定に取り組んだ。また、生活者の行動変容、人手不足やコスト上昇など「変化への対応」と、「ニーズ協働発掘型営業」によるソリューション提案の質の向上に継続的に取り組んだ。
商品面では、長持ち機能などを付加した『機能フライ油』や『日清炊飯油』などの機能性油脂を含む「付加価値型商品群」を重点カテゴリーとし、積極的な提案による拡販に努めた。新型コロナウイルス感染症の影響により、外食需要や観光需要の本格的な回復には至らず販売数量は減少したが、販売単価が上昇したことで売上高は増収となった。
加工用についても、原材料価格が高騰する中、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより売上は増収。ホームユースについても、販売価格改定に取り組むと同時に、「かけるオイルの定着」や「味つけオイルの市場創造」など、付加価値商品の継続的な拡販を進めた。これらの結果、サプリ的オイルの販売数量は前期を上回り、ごま油、オリーブオイルの販売数量は前期と比較して減少したが、市場全体の落ち込みに対しては減少幅を小幅にとどめた。
また、揚げ物の吸油を抑えた『日清ヘルシーオフ』などの戦略商品の拡販に努めた。これらの結果、油脂全体の売上高は同30.8%増の3,503億5,600万円、営業利益は、同92.9%増の90億9,700万円だった。
加工食品・素材事業の内、機能素材・食品は、加工食品メーカーとのMCT(中鎖脂肪酸)のコラボレーション商品の上市を進め、市場規模拡大に努めた。原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたが、原価率上昇の影響と販管費の増加により、売上は同11.9%増の651億300万円、営業利益は同68.1%減の5億3,300万円だった。