日本水産の機能性表示食品2品、早くも撤回へ~その理由は?
昨年12月1日付で消費者庁が公表した日本水産㈱(東京都港区)の機能性表示食品2品が、同25日付で撤回されていることがきょう(6日)消費者庁への取材で分かった。
<SRによる届出>
撤回に至ったのは『さっと飲めるN-アセチルグルコサミン』(届出番号:F537)と『かんで食べるN-アセチルグルコサミン』(届出番号:F538)の2品。
機能性表示は共に「本品には N-アセチルグルコサミンが含まれます。N-アセチルグルコサミンは、歩行や階段の上り下りにおけるひざ関節の悩みを改善し、関節軟骨成分の分解を抑えることで関節軟骨(※)の維持に役立つ機能があります。 ※関節軟骨は膝・足首・肘・手指などの関節に存在します」とし、機能性関与成分に関する科学的根拠がシステマティック・レビュー(SR)に基づくものにもかかわらず、「報告されている」ではなく、「~の維持に役立つ機能があります」とストレートな表現を用いた機能性表示のレアケースとして注目を集めていた商品。
<撤回は事業者の判断>
表示の是非について昨年12月、記者が消費者庁に取材した際、担当官はガイドラインに沿った届出が望ましいとしながらも、「現時点では、明らかな違反には該当しないため届出を受理した。疑義を含め、今後何らかの動きがあった際は対応するが、あくまでも現時点では問題ない」と説明していた。
今回、改めて撤回について取材したところ、個別の案件については答えられないとしながらも、「撤回は、第三者からの指摘があったわけでも、消費者庁の判断でもなく、事業者の判断によるもの」とし、「消費者庁としては、今後もガイドラインに沿った届出を事業者に促していく」とコメントした。
<理由は混乱を避けるため>
日本水産は、届出情報において、撤回理由を2商品共に「商品発売の予定がなくなったため」としている。
取材に対し同社の担当者は、「混乱を招く可能性もあるため、自社の判断で取り下げた。表示を修正し改めて届出を行うが、引き続き、ガイドラインを意識しながら届出を行う」と回答した。
届出撤回はこれで394品目となった。
【藤田 勇一】