日本抗加齢協会、機能性表示食品「免疫機能」に関する考え方を公表
(特非)日本抗加齢協会(東京都港区、吉川敏一理事長)はこのほど、「機能性表示食品の免疫機能性表示に関する検討会」を開催し、その結果を発表した。同検討会は、消費者庁をオブザーバーに迎え、免疫を専門とするアカデミアで行われた。
それによると、すでに届出が公表されている樹状細胞の活性化に加えて、食細胞活性、NK 細胞活性、T細胞(CD4T 細胞)増殖性・活性化、分泌型 IgA 抗体濃度なども免疫指標として有用。これ以外にも科学的根拠が説明できる指標を使用することも構わないが、これらの免疫指標が複数動いていることが望ましい。しかし、単一の指標でも、さらに下流に応答した免疫指標に類似した指標(サイトカインなど)が動き、局所や体全体のクリニカルアウトカムが合理的に説明できれば、免疫全体を調整していることの根拠となりうるとしている。また、用いた指標が免疫全体を調整することを科学的に説明できることが重要であり、科学的に免疫全体を調整する作用機序を記載することが必要であるとしている。
自然免疫、獲得免疫については、その双方を調整していることが望ましいが、自然免疫のみでも構わない。ただし、自然免疫のみの場合は、免疫全体を調整することが科学的に説明できなければならず、獲得免疫に関しては、疾病予防・治療に結び付かないように記載することが重要だとしている。
臨床試験については、免疫指標とクリニカルアウトカムを、同じ臨床試験で評価することが望ましいが、両者を同時に評価していない場合は、両者を結びつける合理的な説明が必要で、免疫指標とクリニカルアウトカムをつなげる外挿性の説明が必要であるとしている。
同発表に対してある識者は、複数の免疫マーカーと体調の評価で通りそうな書き方になっており、この方法でいくつかのメーカーがすでにチャレンジしているようである。同指針を消費者庁がOKすれば、キリン社の樹状細胞活性以外にも届出が出てきそうだが、「消費者庁はOKとするのか気になる」と述べている。
【藤田 勇一】