＜インフルエンザへの効果さえも認められない＞
　
　新型コロナウイルスに「ビタミンDが効く」といった宣伝について、（国研）医薬基盤・健康・栄養研究所は26日、そうした効果は確認されていないとの見解を発表した。

　新型コロナウイルスの感染拡大に便乗し、ビタミンDの摂取が効果的という情報が出回っている。しかし、同研究所によると、インフルエンザや上気道感染症予防に対するビタミンDの有効性を検討した学術論文は、1報がA型インフルエンザの罹患率の低下を示しているが、同論文内でB型インフルエンザの罹患率は増加していた。また3報では、発症リスクなどに影響がなかったと報告。反対に、発症リスクの増加、症状の持続期間の延長が認められた論文が1報ある。

　こうした科学的根拠を基に同研究所は、インフルエンザに対しても「ビタミンDが効く」と言える情報はないと指摘。新型コロナウイルスについては、検討した論文さえ見当たらないとしている。