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改正機能表示食品制度、9月1日施行(続報) 健康被害情報の報告義務、即日実施へ

 小林製薬「紅麹サプリ」事件を受けて改正されることになった機能性表示食品制度の直接的な根拠法令となる、食品表示法に基づく食品表示基準(内閣府令)の改正を消費者庁が23日、公布した(26日付既報)。それに関連して厚生労働省も同日、食品衛生法に基づく食品衛生法施行規則(厚生労働省令)の一部改正を公布。それぞれ9月1日に施行し、同日から、特定保健用食品(トクホ)を含め、府令及び省令に基づく健康被害情報の報告義務を対象事業者にかける。

 厚労省は、改正食品衛生法施行規則の施行日までに、健康被害情報の収集・報告に関する報告期限などの細かなルールを示した通知を発出する。

 制度の見直しでは、健康被害情報の報告義務の他に、天然抽出物や化学的合成品を配合した錠剤やカプセル剤などのサプリメント(天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品)について、GMP(適正製造規範)に基づく製造・品質管理の義務も届出者にかける。消費者庁は、遵守を求めるGMPの基準を定めた内閣府告示も同日公布する予定だったが、間に合わなかった。告示案に対するパブリックコメント結果の公表とともに、月内に公布する。

 GMPの義務付けは、2年間の経過措置期間を設け、完全施行は2026年9月1日から。トクホのサプリについても同様にGMPの義務を適用させる。

食品表示基準改正案に385の意見

 既報のとおり、消費者庁は同日、6月27日から1カ月間実施した、食品表示基準改正案に対するパブリックコメントの結果も公表した。厚労省も同日、食品衛生法施行規則改正案に対するパブコメ結果を公表。食品表示基準改正案に対しては107件385項目に及ぶ意見が寄せられ、健康被害情報の収集及び報告をめぐる意見は88、サプリのGMP義務化に関連する意見は38あったという。両省庁は、意見に対する国としての考えを示し、公表した。

 GMPについて、「外部認証機関での認証が必須か」という問いかけに対して消費者庁は、「外部認証機関での認証を求めるものではない」と回答した。また、FSSC22000やISO22000といった食品安全マネジメントシステム第三者認証を取得している場合、あるいは健康食品GMP第三者認証を取得している場合はGMP基準に「適合していると判断して良いか」という問いに対しては、「外部認証機関での認証を受けているかどうかにかかわらず、告示で定める基準を遵守している必要がある」との考え方を示した。これに関連して、製造を外部に委託している届出者が製造所のGMP遵守状況をチェックできるよう、告示に定める基準に沿ったチェックリストを作成することも伝えた。

 消費者庁はまた、機能性表示食品の安全性確保は「食品衛生法の遵守が前提」になるとする考え方も示した。事業者が同法を遵守することを前提に、「制度を適切に運用していく」という。

 他に、「紅麹の健康被害は、海外では医薬品として登録のある成分の表示許可をした国に責任がある」とする意見に対して同庁は、医薬品に該当するか否かの確認は一義的に食品関連事業者の責務として実施するものだとする考え方を示し、「事業者による他法令の遵守を前提として制度を適切に運用していく」とした。

改正制度の詳細、「来年4月までに示す」と消費者庁

 今回の制度改正は多岐にわたる。健康被害情報の収集・報告義務化、サプリのGMPに基づく製造・品質管理義務化の他にも、義務表示事項の表示の仕方を改めたり、届出実績のない新規の機能性関与成分などについて、消費者庁での届出資料の確認期間を120営業日とする特例規定を新たに設けたりもする。「届出日以降の科学的知見の充実により機能性関与成分について特定の保健の目的が期待できる旨の表示をすることが適切でないと消費者庁長官が認めた食品は、機能性表示食品の要件を満たさない」ことも規定する。

 こうした新たな規定は、過去の制度改正の常套手段であった届出ガイドライン(通知)の改正ではなく、法的強制力がある内閣府令の食品表示基準の改正や、府令に基づく告示の公布などを通じて、機能性表示食品として販売するための届出者の遵守事項を規定する。

 改正機能性表示食品制度の施行は、来月1日と来年4月1日の2段階になる。消費者庁は、公表したパブコメ結果の中で、来年4月施行分の規定の詳細を施行日までに示す考えを伝えた。パブコメでは、「グミやゼリー飲料などはサプリメントに当たるのか」や「サプリメントに該当しない合理的な理由の判断基準や例示などを示して欲しい」などといった疑問や要望も寄せられており、これらについても来年4月までに詳細を示すという。

【石川太郎】

(文中の画像:上=機能性表示食品制度の改正概要、下=改正機能性表示食品制度の施行及び実施スケジュール。いずれも消費者庁の公表資料から抜粋)

関連資料:食品衛生法施行規則改正案に対する意見募集結果(政府のe-govサイトへ)
関連記事:健康被害情報の報告義務化、詳細示す 報告期限は「15日以内」、制度改正説明会で厚労省
    :機能性表示制度の見直し、9月施行へ GMP適用は2年間の経過措置

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