指定成分含む食品のGMP基準(案)を了承~厚労省の専門部会(後)
<健康被害報告制度、必要に応じて個別製品名を公表>
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会は1日、指定成分を含む食品が原因と疑われる健康被害の報告制度に関する厚労省(案)を了承した。
改正食品衛生法の下、指定成分を含む食品の製造業者と販売業者に対し、健康被害情報を都道府県に届け出ることを義務化。都道府県は、健康被害情報を厚労省へ報告しなければならないと定めている。
厚労省(案)によると、指定成分を含む食品の製造業者と販売業者は、迅速に対応するため、「表示責任者」に健康被害情報を集約する体制を整備する。「表示責任者」は、健康被害情報の責任者となる「安全管理責任者」を置くと規定。「安全管理責任者」の要件については、(1)安全確保業務を適正・円滑に遂行できる能力を持つ、(2)販売に関連する部門に属さない――などとしている。
届け出る健康被害の範囲は、症状の重篤度に関わらず、指定成分を含む食品が原因と疑われる情報とする。ただし、摂取前から同じ症状が見られた場合や、医師によって因果関係が否定された場合は除外する。また、自社や関連企業の研究報告、国内外の学術雑誌で発表された研究報告も対象に加える。これらの情報を入手した事業者は、死亡を含む重篤な場合は15日以内、その他の場合は30日以内に届け出るとしている。
届出項目は「健康被害の報告者に関する情報」、「製品に関する情報」、「製品の摂取状況に関する情報」、「健康被害の症状に関する情報」、「医療機関の受診に関する情報」などの8項目が挙がった。詳細については、通知で示す届出様式の検討過程で詰める計画だ。
厚労省は健康被害情報の公表について、従来の知見で把握する想定内の場合と、新たな内容の健康被害が発生した場合とに分けて対応する案を示した。
想定内のケースでは、集計結果の公表や行政指導を行う。必要に応じて個別製品名を公表するという。「健康被害の頻度が高い製品については、個別に指導するとともに、消費者に向けて個別製品名も公表する」(食品基準審査課)と説明した。
一方、新たな内容の健康被害が発生した場合で、公表が必要と考えられるケースについては、新開発食品評価調査会で判断し、対応を決定するとしている。
(写真:健康被害の報告制度(案)も了承)
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