指定成分含む食品のGMP基準(案)を了承~厚労省の専門部会(前)
<年内めどに告示>
改正食品衛生法の下で対応する「特別の注意を必要とする成分(指定成分)を含む食品」について、厚生労働省は1日に開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会に、製造・品質管理の徹底方法に関する案と、健康被害の報告制度に関する案を示し、了承された。
厚労省は健康食品GMPの新基準を策定し、食品安全委員会によるリスク評価、パブリック・コメントなどの手続きを経て、年内をめどに告示する。新たな取り組みは来年6月に施行される。
指定成分については、5月20日の同部会で「プエラリア・ミリフィカ」、「ブラックコホシュ」、「コレウス・フォルスコリー」、「ドオウレン」の4成分とする方向性が示されている。これらの成分については製造工程・品質の管理を強化し、製品中の成分含有量のばらつきによる過剰摂取の防止が求められている。
厚労省の案によると、指定成分を含む食品を対象とした「製造または加工の基準」を新たに定めて告示する計画だ。(1)原材料の受け入れに関する製造・品質管理の項目を追加、(2)指定成分を含む食品の形態に一般食品も含める、(3)その他の必要項目の追加――などがポイントとなっている。
指定成分を含む食品を対象とするGMPで必要な対応として、「製品標準書」、「原材料に係る製造管理・品質管理」、「製造管理」、「品質管理」、「バリデーション」などの13項目が挙がった。製品中の成分含有量のばらつきをなくすために、最終製品で「管理成分」を分析することによって、適正に製造されていることを確認する方針が示された。
「管理成分」は活性が強い成分とするが、「それが困難な場合には、マーカーとなる成分を管理成分とする」(食品基準審査課)と説明。厚労省によると、「プエラリア・ミリフィカ」はミロエストロールとデオキシミロエストロール、「コレウス・フォルスコリー」はフォルスコリンが該当するという。一方、「ブラックコホシュ」と「ドオウレン」については「今後、国立健康・栄養研究所と検討する」(同)とし、検討結果を踏まえて厚労省が定めることになる。
指定成分を含む食品の形態は、錠剤・カプセルに限らず、一般食品も対象とする。ただし、一般食品の場合、新基準に基づくGMPによる管理が困難と見られ、出席した委員から「事実上、流通できなくなる」という声も聞かれた。
また、GMPの新基準で必要な事項に、「品質管理部門の従事者は、基原材料による不均一性を確認するために必要な専門知識を持つことが望ましい」、「製品の管理試験や含量規格は、製品設計で設定した1日摂取目安量や管理成分の定量結果と定量方法に基づいて設定」などを追加する方針が示された。
(写真:1日午前に開かれた厚労省の調査部会)
(つづく)