愛知県、松浦薬業に業務停止命令 製造記録を偽造
未承認の製造方法によって生薬を製造し、製造記録を偽造し出荷したとして、愛知県は松浦薬業(株)(愛知県名古屋市、松永忠功社長)に対し、医薬品医療機器等法違反で業務停止を命じたと発表した。
県の発表によると、今年2月14日に匿名の通報があり、同社の冨貴工場への立入調査を実施して問題が発覚した。同社では、冨貴工場で製造する「葛根湯」などの生薬117品目について、厚労省が承認した内容と異なる製造方法によって製造。さらに、製造指図書と製造記録を偽造し、虚偽の記録に基づく出荷を行っていた。そうした事実を認識していたにもかかわらず、同社では適正な製造販売を行うための必要な措置を取らなかったという。
また、県が2015年~18年までに実施した立入調査で、同社は偽造した記録を提示し、虚偽の説明を行っていたとしている。
県は、第2種医薬品製造販売業(本社営業所)について、8月8日~9月8日までの32日間、業務を停止するように命じた。医薬品製造業(冨貴工場)については、8月8日~9月10日までの34日間の業務停止命令を出した。
同社は8日、ホームページで行政処分を重く受け止めると謝罪を表明。今後は第三者委員会を設置して調査と原因究明を行い、再発防止策を検討する方針としている。
同社は生薬の輸入・製造・販売をはじめ、健康食品の製造・販売、商品の製造受託なども行っている。