年頭所感~EBNの確かな機能性表示食品に期待
薬業健康食品研究会 会長 吉岡 一彦
新年あけましておめでとうございます。
当会は名称に薬業とあるように、医薬品に関連があり、かつ健康食品を扱う企業が中心になって設立された団体で、今年で38年目を迎えます。製薬企業が多く加盟しておりEBN(Evidence Based Nutrition)の考え方を学びながら、あるべき健康食品のあり方を提言してまいりました。
機能性表示食品制度の立ち上げに際しても、健康食品産業協議会を通して、まずしっかりしたEBNをベースに、安全性と品質の確保のための食品のGMP制度、さらに製造者責任の明確化のための届け出制を主張してきたのもそうした考えによるものです。
さて、昨年は年間を通してコロナ問題に明け暮れしました。コロナ問題は単なる「新型コロナウィルス」による感染症だけでなく、政治的にも経済的にも大きな影響を与えました。さらテレワークによりライフスタイルまでも変化しました。
コロナウィルスから体を守るための予防策としてマスク・手洗いや三密対策などだけでなく、サプリメントにも関心が向かい、免疫に関与すると思われる素材については大幅に売り上げを伸ばしていると聞きます。サプリメントでコロナを治そうとする人はいないでしょう。栄養を付けて、体力=免疫力を高めてコロナウィルスにかからないようにしようという予防対策です。これまでどんなにインフルエンザが流行っても、ここまで予防という考え方が浸透したことはなかったと思います。
昨年末、免疫機能の維持をサポートするという乳酸菌をベースとした機能性表示食品が発売されました。まさに時宜を得た製品です。多くの企業が挑戦し、やっと受理されましたが、EBNがしっかりしていればこその成果です。医薬品のように枠に縛られない、ユニークな機能を持つ機能性表示食品の発売を楽しみにしています。