市場の健全な発展と国民の健康に貢献 【年頭所感】(一社)国際栄養食品協会(AIFN)天ヶ瀬晴信理事長
明けましておめでとうございます。旧年中は皆様の多大なるご支援をいただきまして誠にありがとうございました。謹んでお礼申し上げます。
2022年を振り返りますと、19年から始まった新型コロナウイルスによる世界的パンデミックが継続し、昨年末からの第8波が続いて収束の気配がなかなか見えません。その上に、ロシアのウクライナ軍事侵攻など、国際情勢の大きな変化による種々の要因から私たちの産業界も含めて、原料高やそれによる諸物価高騰など市民生活への多大な影響が出てきています。
そうした中、食品の栄養機能や機能性を有効利用する方向性は活発であると感じます。機能性表示食品の届け出件数も順調に伸びており、全国的な機運として定着しつつあり、さらなる発展も望める状況でしょう。このような発展を見るにつけ、今後、社会からの信頼性を増して真にこの産業分野を確立していくためには、根拠となる科学的エビデンスの取り扱いや質の向上に関する真摯な取り組みと、市場や利用者へのまじめな情報提供が一層求められ、それを期待されていると思います。
機能性表示食品制度の参考とされた米国のダイエタリーサプリメント制度の下での市場の拡大や製品の推移を振り返って見ても、発展を遂げてきた背景には、社会の認識と製品の信頼性や科学的裏付けの強化など、一産業分野としての確立を支える素地があったと思います。社会の事情が日米で同一ではないので単純な比較はできませんが、他山の石として参考になる部分は多いと思いますし、魅力的で大きな市場であると感じます。
超高齢社会の最先端を走る日本が措置した世界最先端を目指した機能性表示食品制度は、膨大な額に膨れ上がっている社会保障制度を破綻させず、維持させるための一助となるような目的も併せ持つものであると思います。元々、健康に深く関与する食品の摂取は、人々の偏った食生活や生活習慣に関する自覚と啓発を促進し、正しい情報提供による製品の理解と自分に合ったものの選択を、日ごろの運動や休養など、日常の活動と対となって推し進めるべきものであると考えます。人々の寿命が延びた中、さらに健康寿命を延ばして、医療サービスを必要とする人を増やさないという方針に沿うような手立てとならんことを祈念します。
当協会は、加盟各社や各団体と緊密に協力して、引き続き関連団体や関係省庁、アカデミアなどと連携を深め、また、グローバルな観点で海外関連機関とも協力して、積極的な活動を継続します。こうした活動を通じて、市場の健全な発展と国民の健康に貢献したいと考えます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げますとともに、今年が皆様に取りまして輝かしい年になりますことをお祈りいたします。