山笠太郎の健康管理とほほ日記 不摂生な私が25年もスポーツクラブに通える理由(5)
前回に続き大阪ナイトライフを振り返る太郎ちゃん
ミナミのスナック「夢幻」に通うようになったのは、大阪支社きってのプレイボーイ片岡くんから誘われ一緒に呑みに行ったのがそもそもであった。
小柄ながら「歌舞伎役者」を彷彿とさせるイケメン片岡くん、「夢幻」のチーママを気に入りロックオン!「山笠課長、是非一緒に・・・」と誘われたのだ。
そーなのだ、小生と片岡くんはおねーちゃん遊び仲間でもあったのだ(苦笑)
チーママはバツイチで元国際線のキャビンアテンダントだったそーだ。スッチーと高身長の金髪レディが大好物の国際派?片岡くんにとってストライクゾーンであった訳だ(笑)
そんなこんなで、片岡くんと「夢幻」に突撃する事と相成った・・・。
店に入るなり「おっ、色男来たか、今日はエライ上司連れて来てくれたそうやないか」とカウンター越しにマスターが歓迎?してくれた。
ちなみに「夢幻」のマスター、高倉健の主演映画の敵役で登場しそうな髭面の渋い風貌で、まさに名バイプレーヤー風であった(汗)
店内は、ガッチリ体型のスーツ姿とジャンパー姿の客が入り乱れてカラオケをガンガン歌っていた。いきなりのやんちゃな光景に多少ビビりつつも「商売繁盛ですね」と、当たり障りのない言葉が口をつく・・・(汗)ちなみに片岡くん、小生の隣で顔を引きつらせていた(笑)
マスターは「今日騒ぎよる客はみ~んな大阪府警のマル暴の子やら機動隊の子やらでワシの子供みたいな子ん達です。まぁミナミでは間違いなく一番安全な店です。安心して・・・」とエクスキューズ・・・? さらにマスター「今はこげな小さな店で何とか雨風をしのいでおりますが、こう見えて、若い頃は、ミナミでおなごをぎょうさん使うてアコギなぼったくりの店を随分やりよったです・・・」と、聞いてもないのに頭をかきつつ自己紹介(苦笑)
すかさず小生「マスター、こう見えて・・・じゃなくて見たまんまですよぉ」と、心の中でツッコミを入れるのを忘れなかった。
マスターは熊本出身であった。熊本弁と関西弁のちゃんぽんにだみ声が合わさり、何とも言えぬ独特のイントネーション・・・まさに「ダシの効いた」得体の知れぬ渋さに、小生、大いに興味が沸き始め、気が付けば「夢幻」の常連になっていた。
常連になっても「夢幻」では小生、酒をオーダーした事がなかった(汗)マスターが球状にカットした氷入りのグラスにさまざまな酒を勝手に注いで出してくれるのだ。小生も黙って出された酒を呑む。そしてカウンター越しにマスターや店の女の子と小一時間会話を楽しんで帰る・・・というパターンが常であった。「あるがままに・・・」小生もその空間に身を委ねた。
運動後の空きっ腹に高級酒 気分はほとんど天国への階段
さてさて、ダイエット大作戦が始まると「夢幻」には月一通えば・・・程度の頻度となった。すると土曜日の浪速スポーツクラブでのトレーニング終了の頃合いを見計らうかの様に「山ちゃん5時半頃来んしゃい」と、マスターから月に1~2回程お誘いが掛る様になった。
「夢幻」の土曜日は常連さんが静かにカウンターで酒を呑むため限定?オープンだ。フロアレディも1人。某有名私立大学院生、おっとりした亜樹ちゃんがバイトで来ていた。
土曜日の夕刻、まさに開店準備の真っ最中・・・「おっ、山ちゃん来たか。亜樹、あとは頼むな、じき帰るさかい」と、小生はマスターにミナミの迷宮・・・名店の数々に誘われていった。
関西の超人気プロ野球チームのスター選手御用達のお店や、はたまたB級グルメの極み、コテコテ炭火焼肉店等々・・・全てマスターの奢り「ごちになります」であった(汗)
午前11時から昼飯抜きでトレーニングをした後の空きっ腹に高級な酒は、五臓六腑に染み渡っていった・・・クーッ(苦笑)
「夢幻」に戻り1時間ほど経過すると雲の上を歩いている様なフワフワとした感覚になる・・・
すると「酔っ払い、はよ帰れ!」とマスターの一喝。そして小生は天国への階段を登るかの如く「夢幻」を後にするのであった・・・(汗)
(つづく)
<プロフィール>山笠太郎(やまがさ たろう)
三無主義全盛の中、怠惰な学生生活を5年間過ごした後、運良く大手食品メーカーに潜り込む。健康食品事業部に配属され、バブル期を挟み10年。その間に健康食品業界で培った山笠ワールドと言われる独自の世界観を確立。その後社内では様々な部門を渡り歩き47都道府県全ての地に足を踏み入れる事となる。
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