小林製薬、温熱技術に新たな知見
小林製薬㈱(大阪市中央区、小林章浩社長)はこのほど、カイロで温めることで血管が生まれる可能性を発見したと発表した。結果は、(一社)日本リウマチ学会の学会誌「Modern Rheumatology」に掲載された。
同社は、使い捨てカイロの温熱技術を用いた末梢血行障害に対する新規治療法の確立を目指して、2018年から大阪大学大学院医学系研究科に「血管作動温熱治療学共同研究講座(産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ)」を設置し、温熱治療の研究に取り組んできた。
今回、同講座における嶋良仁特任教授との共同研究において、レイノー現象の症状が現れる全身性強皮症患者14人を対象に、カイロを使用する期間と使用しない期間でレイノー現象の症状のひどさに違いが出るかを検証した。検証の結果、カイロで温めることで末梢血行障害の一種であるレイノー現象の症状が緩和されることと、血管を新しく作る時に働く因子が増加することが明らかになったという。
※レイノー現象:末梢血行障害の一種。冷たい刺激で血行が悪くなり、突然指先が白色や紫色に変わる現象。