小林製薬、全社員アイデア大会の取り組みを紹介
小林製薬㈱(大阪市中央区、小林章浩社長)はこのほど、「全社員アイデア大会」の取り組みと、そこから生まれたヒット商品の漢方薬『テイラック』について紹介した。
同社は、「“あったらいいな”をカタチにする」というブランドスローガンのもと、世の中にない新しい製品を作り続け、新市場を創造してきた。消費者も気づいていない未充足ニーズに応えるニッチな製品を生み出し、新市場を創造し続けるには、絶えずアイデアを出し続けることが重要だとしている。同社にとって、アイデア創出は経営戦略の強みの源泉の1つであり、長年にわたって培ってきた大切な企業文化と位置付けている。
同社では毎年、創立記念日である8月22日(休日の場合は、直前の営業日)に、全社員が通常業務から離れ、新製品のアイデアを考える「全社員アイデア大会」が開催されている。同大会は、組織としての一体感や新製品開発の重要性を再認識する風土づくりを目的に、創立100期の記念イベントとして2014年にスタートし、今年で8回目の開催を迎えた。
近年では、単なるイベントではなく、「売れるアイデアを創出する」ことを目指し、大会フローの見直しを行ってきた。また昨年度より、海外現地法人の参加も増え、将来的には世界の小林製薬グループにアイデアを創出する組織文化を広げることを目指している。
昨年4月に発売した、低気圧などで不調を感じる人向けの漢方薬『テイラック』(第2類医薬品)は、同大会から生まれたアイデア商品。17年の第4回大会で、お客様相談室所属の社員が提案したアイデアが元となり誕生した。同大会を通過した後、開発事業部にバトンが渡され、ブラッシュアップと検討を経て発売に至り、以来順調に売上を伸ばしているという。
また、同大会発で開発部門以外の社員のアイデアが製品化につながり、ヒットするという成功体験を得られたことで、社内の士気も上がり、今年は例年以上に、全社一丸となって「製品を開発・育成しよう」という意識が高まりを見せているという。
同社では、「今後もアイデア提案制度や全社員アイデア大会などを運用しながら、全社員でアイデアを出し続け、世の中にない新しい製品を作り、新市場を創造する」としている。