富士カプセル、医薬品レベルのカプセル技術など提案強化(後)
<医薬研究開発棟・イノベーションラボラトリーを開設>
同社のカプセル技術は、特に製品化後の品質保持にこだわる企業から高い評価を受けている。こうした実績は、機能性表示食品の市販後調査などで、配合されている有効成分の劣化がチェックされるようなケースでも有利に働くとしている。
研究開発力も強化しており、北山工場敷地内に高薬理活性対応の医薬研究開発棟・イノベーションラボラトリーを開設。昨年7月から稼働している。同ラボラトリーは、最先端の研究開発環境、治験薬GMP準拠、厳密なセキュリティー、ケミカルハザード対策をコンセプトに掲げる。
高活性薬物のプレフォーミュレーション研究や、製造開発から治験薬製造まで、高度な封じ込め設備とソフトカプセル技術を基盤として商品開発をサポートする。また、医薬品・健康食品などの製剤化プロセスの最適化を図るためのソフトカプセル試作ラインを設置。製剤研究の初期段階から評価に至るまでの最新鋭の各設備を備えている。
<確かな技術力で海外市場を開拓>
2018年から、顆粒型シームカプセルのスティック包装(アソート分包)の受託製造を開始し、食品部門の生産能力を向上させている。
渡辺氏は、「国際営業部を通じて、海外からの植物性ソフトカプセルへのニーズや、技術力に対する評価が高まっている。既存のゼラチンでは金額面で海外企業には勝てない。そのため当社は、植物性とシームレス、技術力を武器に営業している。現在、積極的に海外の展示会に出展するなど、海外マーケットを開拓しているが、国内についても、価格競争を行うとお互いつぶし合いになるため、そこで勝負するのではなく、海外同様に植物性やシームレスで勝負する」と戦略を描く。展示会を通じて、同社の技術力を各方面に向けて発信し、cGMP認証取得のメリットを生かした提案を進める考えだ。
(写真:封じ込め対応ロータリー式ソフトカプセル充填機)
<COMPANY INFORMATION>
所在地:静岡県富士宮市北山4242-1(本社)
TEL:0544-59-0010
FAX:0544-59-0033
URL:http://www.fujicapsule.com
事業内容:医薬品、医薬部外品、健康食品の受託製造
(了)
【藤田 勇一】