安心・安全な市場形成に貢献する 【年頭所感】(公社)日本通信販売協会(JADMA) 粟野光章会長
皆様、新年あけましておめでとうございます。
通信販売市場は、コロナ禍による在宅購買の増加を背景に拡大基調が続き、11兆円を超える規模にまで成長しました。業界の成長とともに、サブスクリプションをはじめとするさまざまな新しい売り方やサービスも広がりを見せており、通信販売に関する相談件数は、近年、増加傾向にあります。
こうした中、昨年6月、改正特商法が施行され、詐欺的な定期購入商法対策の規制が設けられました。JADMAでは、規制が強化される各種法改正にどう対応すべきか、加盟する事業者、とりわけ新規加入された事業者に対し、セミナーを開催することで、企業として遵守すべき法規の周知に努めてきました。
また、消費者庁のアフィリエイト広告に関するガイドラインが改正・公表されました。アフィリエイト広告は、行き過ぎた広告表現であるがゆえに、消費者トラブルにつながるといったケースが多く報告されています。JADMAでは、こうした問題を解決して、より健全な業界の発展を目指すため、事業者が広告主としてアフィリエイト広告を利用する際に遵守すべき事項を取りまとめたガイドラインを、昨年11月に策定しました。引き続き、一部の悪質な事業者の取り締まりのために、多くの優良な事業者の健全な成長が妨げられないよう、行政に対しても積極的な働きかけを行ってまいります。
さらに、昨年4月の民法改正で成人年齢が引き下げられたことに伴い、中学校・高校の教科書に、ジャドママークが掲載される事例が増えています。これを受け、JADMAでは、教職員や消費生活相談員を対象に、通信販売について学ぶオンライン講座を開催しています。講座では、「かしこい消費者になるために」と題し、学校の授業や消費生活センターでの業務に活用いただけるよう、通信販売を安心・安全に利用いただくためのポイントを説明しました。終了後のアンケートでは、「JADMAにより通販の秩序が保たれていることが分かった」との嬉しい声もいただき、一定の成果があったと認識しています。
コロナ禍の終息について見通しがはっきりしない中、利便性の高い通信販売は、これからも消費者の日常生活を支える重要な社会生活インフラであると強く認識し、協会としての役割を果たしてまいりたいと考えます。