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天野エンザイムの遺伝子組換え酵素剤 食安委が太鼓判「人の健康を損なう恐れなし」

 天野エンザイム㈱(愛知県名古屋市、天野源之社長)が製造する遺伝子組換え酵素剤についてきのう(30日)、第900回食品安全委員会で審議が行われた。酵素剤「Geobacillus stearothermophilus TP7株を利用して生産されたプロテアーゼ」については、4月19日から今月18日までパブリックコメントが募集された。その結果、食品安全委員会(山本茂貴委員長)は、先月18日に開かれた同委員会における遺伝子組み換え食品等専門調査会の結論をそのまま受けるかたちで、「人の健康を損なう恐れはない」との判断を出した。

 今後の流れとしては、本件を諮問した厚生労働省に評価通知が答申され、問題なしと判断されれば官報掲載に向けた手続きが進められる。

 今回、1件の意見が委員会に寄せられた。
 「遺伝子組み換えについては、あまりに歴史が短く、科学的知見も蓄積していない状態で、『従来の添加物と比較して新たに安全性を損なう恐れのある要因は認められなかった』と言われても、信じられない。また参照資料も、大半が社内文書なので、なおさら当てにならない」というもの。
これに対し食安委は、「食品健康影響評価は、食品安全基本法第11条第3項に基づき、その時点において到達されている水準の科学的知見に基づいて行ったもの」とし、さまざまな科学的知見によって安全性を担保しており、「非組み換えプロテアーゼと比較して新たに安全性を損なう恐れのある要因は認められなかったことから、人の健康を損なう恐れはないと判断した」と回答している。
 さらに、「これまでの科学的知見や海外での評価結果も踏まえ、資料の内容についての問題点、疑問点については説明や再提出を求めるとともに、調査会の審議において、資料の内容が不足していると判断された場合は、追加試験のデータを含め必要な追加資料の提出を求めているところ」とし、専門調査会の結論を変更することなく厚労省に通知することとした。

 今後のスケジュールについて厚労省に聞いたところ、「答申の内容を確認してからの判断となるため、何とも言えない」(基準審査課)としている。官報掲載がいつになるかは厚労省次第というところか。

 昨年11月に起きた自主回収騒ぎから半年以上が過ぎた。これからおそらく、天野エンザイムは生産のためのしかるべき手続き所管省庁で終えた後、新たな生産が行われることになる。
 
<審議の経緯>
2023 年1 月10 日 厚生労働大臣から遺伝子組換え食品等の安全性に係る食品健康影響評価について要請(厚生労働省発生食0110 第3 号)、関係書類の接受
2023 年1 月17 日 第885 回食品安全委員会(要請事項説明)
2023 年2 月17 日 第233 回遺伝子組換え食品等専門調査会
2023 年4 月18 日 第896 回食品安全委員会(報告)
20234月19日から5月18日まで 国民からの意見・情報の募集

【田代 宏】

参考資料はこちら(食品安全委員会HPより)

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