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大麦若葉末に唾液中IgA増加機能 東洋新薬らが報告、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸影響か

 青汁の主要な原材料として知られる大麦若葉末に、唾液中IgA分泌促進機能のあることがマウス試験で示唆された。㈱東洋新薬(本部:佐賀県鳥栖市、服部利光社長)が製造・販売を手がける大麦若葉末について確認されたもので、神奈川歯科大学の槻木恵一教授および山本裕子准教授と同社の共同研究による。短鎖脂肪酸の増加も見られたことから、腸が唾液腺の機能に影響を及ぼす「腸‐唾液腺相関」を介して唾液中IgAの分泌が促進された可能性があるという。同社が28日発表した。

 IgA=免疫グロブリンA=は抗体の一種。口腔内などの粘膜面に分泌されるIgA(分泌型IgA)は粘膜の免疫系において主要な役割を担うとされ、ウイルスや細菌の口腔内感染を予防するには唾液中のIgAを減らさないことも肝要といわれる。

 発表によれば、大麦若葉末を配合した飼料をマウスに4週間摂取させたところ、唾液中のIgA分泌速度が、大麦若葉末を含まない飼料を同じ期間摂取したマウスに比べて有意に増加した。また、大麦若葉末に多く含まれる食物繊維を腸内細菌が分解(資化)することで産生された短鎖脂肪酸の盲腸内容物中濃度も有意に増加。一方で、飼料とともに抗生物質を与える試験条件下では、どちらについても有意な増加は認められなかったという。

 このため、摂取した大麦若葉末は腸内細菌によって資化されることで短鎖脂肪酸を産生、その短鎖脂肪酸が唾液中IgAの分泌促進に関与している可能性がある、としている。

過去の研究でα‐ディフェンシン分泌促進も

 同社製の大麦若葉末が免疫系に及ぼす機能をめぐっては、これまでに腸管免疫に関係するα‐ディフェンシン(小腸細胞から分泌される抗菌ペプチドの一種)や糞便中IgAの分泌を促進させることが確認されていた。そのため、今回の研究結果を受けて同社では、大麦若葉末は腸管免疫だけでなく口腔免疫にも影響を及ぼす可能性がある、と考察している。

 この研究結果は、27日に神奈川県歯科保健総合センターとオンラインのハイブリッド形式で開催された第1回日本唾液ケア研究会学術集会でも発表した。腸が唾液腺(口腔)機能に影響を及ぼすとする「腸‐唾液腺相関」の概念は、今回の研究を共同で行った、神奈川歯科大学の槻木恵一教授が提唱している新しい考え方だという。

関連記事:東洋新薬の大麦若葉末、機能性表示食品として3つのヘルスクレーム可能に

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