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大豆由来の機能性食品素材と共に歩む 【周年特集2024】ニチモウバイオティックス、設立25周年

更年期女性のQOL向上サポート目指して

 今年1月、機能性食品素材メーカーのニチモウバイオティックス㈱(北谷明大社長)は設立25周年を迎えた。水産加工品を中心にした食品事業や海洋事業などを展開する上場企業ニチモウ㈱(東京都品川区)の100%子会社として1999年に設立。更年期女性のヘルスケアやクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上のために開発した独自の大豆イソフラボンを主力製品とする同社の歴史を駆け足で振り返りつつ、今後に向けた抱負を北谷社長が語る。

アグリコン型の特性、イソフラボン軸に展開

 同社が設立された背景にはニチモウが1990年に着手した、大豆に含まれるタンパク質等の栄養素に着目した研究開発がある。発酵法を取り入れ、栄養素の消化吸収に優れた養殖魚向け飼料を開発し、1999年に発売。その製造子会社として山口県下関市に生産拠点を置くかたちで設立されたのが同社だ。そして、その研究開発の過程で生み出されたのが同社の主力製品、アグリコン型大豆イソフラボン含有機能性食品素材「アグリマックス」である。

 大豆イソフラボンといえば、イソフラボンに糖が結合したグリコシド型が一般的だが、あらかじめ糖を分離させているため高い吸収性が期待できるアグリコン型、かつ、腸内細菌によってエクオールに代謝される「ダイゼイン」というイソフラボンの一種を高含有する独自の大豆イソフラボンを開発し、製法に関わる特許を取得(現在までに失効)。そして健康食品市場に参入するとともに、米ハーバード大学医学部付属病院と共同で更年期女性を対象にした臨床試験を実施するなど、国内外で機能性研究を進めながら科学的根拠を積み上げていった。

 設立からしばらく、同社は製造に特化。営業はニチモウのバイオティクス事業部が担当していたが、2007年、分業体制が見直される。営業部門が同社に完全移管。発酵大豆由来機能性食品素材の製造販売会社として新たなスタートを切ることになった。その後、アグリマックスに続く独自開発の機能性食品素材として、アレルギーケアに対応する麹菌発酵大豆培養物「イムバランス」を10年に発売。以来、2つの大豆由来機能性食品素材を主力製品とするかたちで事業展開を進めていき、現在に至る。

苦しんだ時期越えて迎えた25周年

 主力製品が2つでは心許ない気もするが、波はあるにせよ、同社は堅実な成長を見せてきた。それを支えたのは、外部の研究機関や医療機関などと共同で進めた機能性研究を通じてコツコツと積み上げた科学的根拠だろう。特にアグリマックスは、不妊の女性を対象にした症例報告や、その作用メカニズム研究などが注目され、婦人科領域の医療機関にも広がりを見せることになった。

 一方で、苦しんだ時期もある。06年、降って湧くかのように持ち上がった大豆イソフラボンの上乗せ摂取量上限値問題だ。もともと特定保健用食品を対象に設定されたものだが、アグリコン型として1日あたり30mgの上限値は今も見直されておらず、大豆イソフラボンを配合する健康食品全般に影響を及ぼしている。

 しかし、この問題を乗り越えてきたからこそ、同社は設立25周年を迎えた。昨年5月末、5代目の代表取締役に就任した北谷社長は今後に向けた抱負をこう語る。

 「30mgの話は今も納得していない。アグリマックスは、過去に1日あたり40mgの摂取量で複数の臨床試験を行っていて、有効性にせよ、安全性にせよ、しっかりとエビデンスを得られていた。とはいえ、他のメーカーも上限制限のなかで勝負している。だから、制限をクリアする摂取量で改めてエビデンスを得て、アグリマックスを機能性表示食品制度に乗せられるにようしたい。それは顧客のニーズに応えるためであるし、更年期女性のQOL向上などに貢献できるようにするためでもある。

 女性特有の健康の悩みを解消するサプリに注目が集まっている。それによって、アグリマックスもはっきりと上昇気流に乗りつつある。引き続き研究開発とエビデンスの蓄積に力を入れ、国内外の女性のヘルスケア市場の中で、『女性向け健康食品素材といえば、ニチモウ(バイオティックス)である』という認知を獲得したい。それは遠くない将来、必ず実現できると考えている」

【石川 太郎】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都港区浜松町1-6-15 VORT浜松町I 7階
TEL:03-6478-5051
URL:https://nichimobiotics.co.jp/
事業内容:健康食品素材、健康食品および化粧品の製造・販売

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