大幸薬品、クレベリンの表示を改訂 8月から置き型2品が新パッケージに
空間除菌「クレベリンシリーズ」6商品で消費者庁から措置命令を受けた大幸薬品㈱(大阪府吹田市、柴田高社長)は14日、『クレベリン 置き型』(60g・150g)の2品について、8月1日出荷分から新しいパッケージに切り替えると発表した。
先行するかたちで、同社の直販ECサイト「TAIKO-Direct」をはじめ、楽天市場・Amazon・PayPayモールなどのECモールでは、予約注文を受け付けている。
今回、パッケージに記載の使用方法や注意事項などについても改訂した。旧パッケージでは表面に、「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去/特許・二酸化塩素分子のチカラ/当社試験による裏面参照※」と記載していたのを、「二酸化塩素分子のチカラ※/※1衛生関連特許、※2組成物関連特許、※3二酸化塩素分子機能試験」と変えた。
大幸薬品は今年1月20日、『クレベリン スティック ペンタイプ』(携帯型)、『クレベリン スティック フックタイプ』(掛け型)、『クレベリン スプレー』、『クレベリン ミニスプレー』(スプレー型)の4商品が措置命令を受けたが、置き型2品については、同社が東京地方裁判所に申し立てた「措置命令の仮の差し止め」が認められたために措置命令を免れた。
しかし、消費者庁は東京高等裁判所に即時抗告。高裁は地裁の決定を覆し、4月13日に仮の差し止めの認容が取り消されたことで、消費者庁は同15日に置き型2品に対しても措置命令を出した。大幸薬品も表示の不当性を受け入れ、パッケージの変更に向けて消費者庁と協議を重ねてきた。同社は、「お客様が製品を使用される際のご理解と、利便性の向上を図った」(広報部)とコメントしている。
『クレベリン スプレー』、『クレベリン ミニスプレー』についてはすでに、「空気中に噴霧する」という表現を訂正して3月から出荷を開始しているが、『クレベリン スティック ペンタイプ』についても、順次、販売を再開する予定という。
同社は措置命令による業績の悪化を受けて、社員の約30人の希望退職者を6月下旬まで募っていた。募集対象者は、7月31日時点で満40歳以上59歳未満の正社員および無期雇用社員。募集期間を終え、現在、最終確認中で、「確定したら適切なタイミングで情報開示する」(同)と述べている。
【田代 宏】
(冒頭の写真:新旧の「クレベリン置き型(150g・2カ月用)」、上が新しいパッケージの商品)
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