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国立栄研問題からJahfic問題へ NMDB使用料など届出事業者に大きなしわ寄せが

 2023年9月29日に行われた消費者庁によるガイドラインおよび質疑応答集の一部改正以来、機能性表示食品の届出において、(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所「国立健康・栄養研究所」(以下、国立栄研)のデータベースが機能性表示食品の届出に2次情報として使うことができなくなった。ウェルネスデイリーニュース編集部は繰り返し警鐘を鳴らし続けてきたが、いよいよここに来て事業者が大きなしわ寄せを受ける事態にまで発展した。

 (一社)日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic、田中平三代表理事)は昨年12月31日、公式サイトに「機能性表示食品におけるナチュラルメディシン・データベースのご利用について」というお知らせを掲示し、事業者によるNMDBの無断使用をとがめた。

 リリースには、「これまで機能性表示食品制度への届出資料にナチュラルメディシン・データベース〈オンライン版〉をご利用になる場合には、自社の最終製品に限り使用許諾申請を免除しておりましたが、2024 年 1 月末をもちまして、免除を一旦廃止させていただく」と記されている。続けて、「機能性表示食品制度への届出に関連したご利用は原則、Jahfic 会員に限定したサービスに変更する」(ただし、ナチュラルメディシン・データベース〈オンライン版〉は会員特典として利用可能)と記されている。

 またその理由として、使用許諾を免除したことで届出資料において、届出情報が更新されていないNMDBの情報源の利用などの不適切な行為があるためと述べられていた。要するに、更新されたNMDBの情報が届出企業の届出情報に反映されていない問題が生じているというのである。ということは、Jahficは今後、過去の届出情報にまでさかのぼって利用料金を徴収しようとしているのだろうか?

 Jahficの会員制度は(1)賛助会員(2)NMデータベース会員(3)NM情報会員(4)NMHQ会員――の4つのクラスに分かれており、機能性表示食品の届出ができるのは(1)以外の3会員。しかも、その全てにおいて今後は使用許諾申請書が必要なばかりでなく、届出において他社のサポートができるのは(3)NM情報会員に限るとしている。そして同会員になるためには、入会金11万円、年会費6万6,000円、1件当たりの使用許諾料金1万3,200円/年が必要となる。
 利用者に明快な説明もないまま、一方的に規約変更を行ったJahficに対し、事業者の不満は募る一方だ。「利用規約が分かりにくい。Jahficは公式に説明会を開くべき」という声も少なくない。

 その上、実際に届出を行っている原料メーカーに対して1月31日を期限に、現会員に対しては会員を継続するか否か、会員でない事業者は入会するか否か、態度表明を迫ったのである。さらに昨年12月末までに届出を行っている製品について、今年3月までに使用許諾申請書を提出し、来年3月までに届出情報の変更を行うように求めている。

 事業者からは、さまざまな声が聞かれる。NMDBを利用するためにJahficに入会するか否か?入会金などの負担は原料会社、受託会社、販売会社のいずれが負担するのか? NMDBの他にどういうデータベースがあるか? すでに届出の変更作業を進めている事業者もあるが、タイムリミットの3月までに間に合うのか? 殺到する変更届に消費者庁は対応できるのか?――等々、訴訟リスクも含めて課題は尽きない。
 詳しくは、『ウェルネスマンスリーレポート68号』(2月10日刊)の「あの話題を追う!」で報じる。

【田代 宏】

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関連動画:W放談10「Q&A問21問題」(YouTube「ウェルネスデイリーニュース」より)
    :W放談12「行政開示文書公開」(同上)

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