柔軟仕上げ剤の匂いで「頭が痛くなる」といった消費者相談が寄せられていることを受けて、（独）国民生活センターは9日、柔軟仕上げ剤を使用した洗濯物から放散される成分量や、匂いの強さなどを調べた商品テストの結果を発表した。

　発揮しやすい成分の総量である「総揮発性有機化合物」と匂いの強さを調べるため、同一メーカーの香りの強さが異なる3商品（「無香性」、「微香タイプ」、「香りの強いタイプ」）を対象にテストを実施した。

　「無香性」と「微香タイプ」の商品を表示量の2倍使用した場合、表示量どおりの使用時と比べて、室内空気中の総揮発性有機化合物の上昇は認められなかった。一方、「香りの強いタイプ」を2倍使用した場合では、表示量どおりの使用時と比べて顕著に上昇した。

　匂いの強さについては、「微香タイプ」と「香りの強いタイプ」の商品を表示量の2倍使用した場合、表示量どおりの使用時と比べて、明らかな差は認められなかった。また、「無香性」の商品を表示量のとおり使用したケースでは、柔軟仕上げ剤を使用しない場合と比較して、匂いの強さはわずかに弱くなったという。

　同センターは消費者へ向けて、使用量の目安を参考に過度な使用を避けることなどをアドバイスしている。

　柔軟仕上げ剤の匂いに関する消費者相談件数は、年間130～250件程度。咳、頭痛、吐き気などの危害を受けたという申し出も寄せられている。