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国民生活センター、サプリメントの4割以上が「崩壊性」に問題

<健康食品GMP認定工場で製造の製品も>

 サプリメントは品質が安定しているとイメージする消費者が大多数を占める一方で、市販製品の4割以上で「崩壊性」に問題があることが1日、(独)国民生活センターの商品テスト結果からわかった。健康食品GMP認定工場を含め、サプリメント製造現場の品質管理が不十分な実態を浮かび上がらせた。

 サプリメントの品質に関する実態を把握するため、同センターは市販されている100製品について商品テストを実施した。対象は「マルチビタミン」「GABA」「酵素」「HMB」「ルテイン」など10カテゴリー(各10製品)。内訳は栄養機能食品21製品、機能性表示食品11製品、いわゆる健康食品68製品となっている。

 日本薬局方で定める試験方法を用いて、規定時間内に崩壊するかどうかを調べた。その結果、100製品中42製品で時間内に崩壊しなかったと報告。形状別で見ると、「素錠」は26製品中14製品、「コーティング錠」は18製品中8製品が崩壊しなかった。カプセル剤については、「ソフトカプセル」が43製品中18製品、「ハードカプセル」が13製品中2製品で崩壊しなかった。

 同センターでは、崩壊性に問題があった製品には「健康食品GMP認定工場で製造されたものもある」と説明している。

 また、商品テストでは50製品を対象に、含有される機能性成分量を調べた。その結果、2製品について、表示値と実際の含有量に大きな乖離が認められた。

 問題が見つかった2製品のうち、1製品はGABAを機能性関与成分とする機能性表示食品のサプリメントだった。表示値の2倍以上の量が含まれていた。もう1製品は、HMBを含むいわゆる健康食品。こちらは、表示値の7割程度しか含まれていなかった。

<利用途中の製品、5割が崩壊せず>

 今回の商品テストでは、利用途中のサプリメント105製品(栄養機能食品23製品、機能性表示食品15製品を含む)を対象とした品質調査も実施した。開封時期は、105製品中85製品が「半年以内」だった。

 収集した利用途中の64製品を対象に、崩壊試験を実施した結果、5割の製品が規定時間内に崩壊しなかった。未開封の製品と比べ、やや高い割合を示した。

 また同センターでは、過去1年間にサプリメントを摂取した約1万人を対象に、アンケートを実施した。サプリメントが「厳格に製造され、品質が安定している」について、74%の消費者が「大変そう思う」または「そう思う」と回答。一方、「あまりそう思わない」、「全くそう思わない」は合わせて16.2%だった。

 これらの結果から、消費者の多くがサプリメントの品質に対して良好なイメージを持っているが、品質面で重要な崩壊性に問題を抱える製品が全体の4割以上を占めるなど、お粗末な製造実態が浮き彫りとなった。さらに、崩壊しなかった製品や機能性成分量が表示値と乖離していた製品にも、健康食品GMP認定工場で製造されたものが含まれ、国内の健康食品GMPの“甘さ”を露呈する格好となった。

(写真:国民生活センター提供)

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