困惑類型の受け皿規定、「検討せざるを得ない」~消費者庁の消費者契約検討会
消費者契約法の改正へ向けて、消費者庁の「消費者契約に関する検討会」は10日、いわゆる「つけ込み型」勧誘に関する取消権について議論した。
この日の検討課題は、「困惑」に関する規定で類型ごとに受け皿規定を設ける案。取消権の対象となる行為を明確化するほど、法をすり抜ける業者が出てくる傾向がある。これに対応するために、類型ごとに「受け皿」規定を設ける考え方が示された。
これに対し、各委員の間で賛否が分かれた。賛成意見として、「規定があっても隙間が必ずできて、悪質業者はすり抜けてしまう。隙間をなくす規定は必要」、「販売手法が日々進化し、包括的な規定が必要」との声が上がった。一方、「抽象的な規定は、まじめな事業者にとって新たな提案ができなくなる」という反対意見も聞かれた。
山本敬三座長は、「この(類型ごとに受け皿規定を創設する)方向を考えている。規制を逃れるケースをどうするか。明確化するほど生じてしまう。受け皿規定について検討せざるを得ない」と述べた。
また同検討会では、消費者が契約を取り消せる「つけ込み型」勧誘の類型に、「浅慮」「幻惑」を追加する案を検討中。前回までの議論で、健康食品・化粧品などの「お試し」と思わせて定期購入だったというケースについて、「取り消しに値する」との意見が寄せられた。これを受けて、事案の整理で「浅慮」「幻惑」に該当すると位置づけられた。
(10日開催の検討会の冒頭)