問21問題、消費者庁の開示文書届く 栄研DBについて「業界団体には説明した」(消費者庁)
今年9月7日、消費者庁と業界団体の間で開かれた会合「情報交換会」をめぐり、ウェルネスニュースグループが情報開示請求を行っていた件で、消費者庁は12月7日付の文書で情報を開示した。
開示文書は「第27回 情報交換会 議事次第」、「第27回 情報交換会 出席者名簿」、「『機能性表示食品に関する質疑応答集』の一部改正について(案)」、「機能性表示食品に関する質疑応答集(案)(新旧対照表)」、「第27回 情報交換会 概要」の5点。「――質疑応答集(案)(新旧対照表)」が13ページに及ぶ以外は各1ページの文書で、全部で17ページになる。ただし、団体の出席者11人のうち6人、ならびに(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)の随行者とされる1人の氏名については、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」第5条第1号に基づき非開示とされた。
また、(一社)健康食品産業協議会に対する取材で、出席していたとされていた(一社)日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の出席は確認できなかった。
情報交換会の「議事次第」には、消費者庁からの説明として「機能性表示食品届出DBのシステム停止に係る情報提供」、「事前確認制度廃止に伴う機能性表示食品に関する質疑応答集の改正について」との記載があり、3点目に「意見交換」とある。
他方、情報交換会の「概要」には上記の他に、「消費者庁から関係団体に対し、質疑応答集のその他の変更部分について情報提供を行い、質疑応答を行った」と記載してある。
国立健康・栄養研究所(国立栄研)のデータベース(DB)が機能性表示食品の届出に使用できなくなった問題に大きな関りを持つ「質疑応答集問21」については当初、議題に上がっていなかった可能性もあり、これまで編集部の取材に対して、消費者庁が「事前に相談した」とする一方、健康食品産業協議会は「(消費者庁は)質問にこたえただけ」と、食い違いを見せている。
この点について、当日、会合に出席していた消費者庁の担当官に確認した。一問一答は以下のとおり。
記者 「第27回情報交換会」の議事次第に質疑応答集問21については記載がないが、これは事業者に伝える必要がないとの理解だったのか?
消費者庁 開示した文書の中に、質疑応答集の「新旧対照表」というものが付いていると思う。そこに問21の記載があるので、そこで説明させていただいている。
記者 健康食品産業協議会への取材で、消費者庁からデータベースの件に関して「相談があったのではなく、こちらの質問に答えただけ」というコメントをいただいている。
消費者庁 健康食品産業協議会さんがどのようにお話しされたか分からないが、我々としては、この問21のところでお示ししている。
記者 議事次第には記載がないが、消費者庁としては最初から問21についても説明したという理解でよろしいか?
消費者庁 はい。
開示文書一式(5点)については以下に掲示する(つづきは会員専用ページへ)【田代 宏】
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