味の素が新たにジヒドロカプシエイト 【機能性表示食品届出更新】エネルギー消費向上助ける
消費者庁は23日、機能性表示食品の届出情報公開データベースの更新を行い、2つの新規機能性関与成分を含む新規届出20件を公開した。これにより、2022年度の届出件数は750件になった。
この日公開された新規の機能性関与成分は「ジヒドロカプシエイト」。トウガラシなどの植物にも含まれる成分で、味の素㈱(東京都中央区)がサプリメントで届け出た。ヘルスクレームは、「BMIが高めの方の日常のエネルギー代謝の一部である安静時のエネルギー消費の向上をサポートする機能があります」。
味の素は2007年、トウガラシに含まれるカプシノイドを機能性関与成分にしたサプリメントを届け出ていた。同社によれば、カプシノイドには3つの種類があり、新たに届け出たジヒドロカプシエイトはその1つ。
同社は12年と15年、ジヒドロカプシエイトについてEU(欧州連合)でノーベルフード(新規食品)の許可(食品・飲料用途、サプリメント・粉末飲料用途)を受けている。また米国では07にNDI(New Dietary Ingredient)、09年にGRAS(Generally Recognized As Safe)をそれぞれ取得。米国では11年以降、同成分を9mg含む製品について約2,500万食以上の販売実績があるという。
睡眠とストレス、Wヘルスクレームの乳酸菌が新たに
もう1つの新規機能性関与成分は、よつ葉乳業㈱(北海道札幌市)が届け出た「乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)」。
ヘルスクレームは「仕事や勉強による一時的な心理的ストレスを和らげる機能や睡眠の質を高める機能があることが報告されています」。飲料タイプのヨーグルトについて、睡眠と心理的ストレスに関わるダブルヘルスクレームを行う。同様のヘルスクレームを行う機能性関与成分の乳酸菌としては他に、大ヒット商品となった『Yakult1000』の乳酸菌シロタ株(L.カゼイYIT 9029)があるのみ。
なお、この日公開された新規届出は、届出番号H731から同750まで20件。内訳はサプリメントが8件、それ以外の加工食品が12件。
既存届出の取り下げについても情報が更新された。販売終了や販売予定が無くなったことを理由に、㈱太田胃散、日本水産㈱、大塚食品㈱の3社が計4件を取り下げたという。太田胃散では、葛の花由来イソフラボンを配合した2製品の届出を取り下げ。今月12日に新発売した、同成分を始めオリーブ由来ヒドロキシチロソールを機能性関与成分にしたサプリメント『減脂生活』(22年2月届出)に、同社としての届出品目を絞ったとみられる。
【石川 太郎】