合成トランス脂肪酸の禁止が数万人を救う?~豪州
(国研)医薬基盤・健康・栄養研究所(東京都新宿区)の研究連携推進室は30日、世界の最新健康・栄養ニュース「LINK de DIET」で、「豪州の食品供給から有害なトランス脂肪酸を排除すれば数万人の心疾患による死を予防できるかもしれない」というジョージ世界健康研究所からの研究報告を公表した。
研究チームは、豪州の食品供給における合成トランス脂肪酸を全国レベルで禁止した場合の潜在的なコストと、健康上のメリットを計算した。
このモデル化研究によれば、トランス脂肪酸の禁止は、最初の10年間で約2,000人の死亡と1万人の心臓発作を防ぎ、禁止が開始された時点から全成人が死亡するか100歳に達するまでのあいだ、最大4万2,000人の死亡を防ぐことができることが示唆されるという。
心臓病に関連する医療費の削減は、禁止されない場合と比較して、10年間で8,000万豪ドル、生涯期間で5億3,800万豪ドルに達するとし、結果、豪州でのトランス脂肪酸の禁止は、費用対効果が高いことが示唆されたとしている。