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厚労省、食薬区分改正を通知 非医に2原材料追加 コウトウスギは専ら医に

 厚生労働省は25日までに「食薬区分の成分本質(原材料)の取扱いの例示」(食薬区分)の一部改正を各都道府県などに通知した。

 今年3月23日と7月7日にそれぞれ公示していた改正案を同時に反映させたもので、医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)=非医=のリストに、韓国では「ペクスオ(白首烏)」と呼ばれる植物「コイケマ」の塊根と、いわゆる天然由来ケトン体の「D‐β‐ヒドロキシ酪酸」の2原材料を追加した。

 一方で、医薬品医療機器等法に基づき規制する、専ら医薬品として使用される成分本質=専ら医=のリストに、植物のコウトウスギ(ウンナンコウトウスギ)の心材を分類する改正を行った。

 コウトウスギの心材はもともと非医に分類されており、専ら医への区分変更となる。健康食品などとして販売実態もあるため、厚労省は経過措置期間を設けることにした。来年10月23日までの1年間に限り、直ちに医薬品に該当すると判断しない。

 専ら医リストには他に、植物由来の枠組みでインドハマユウ、動物由来でスイギュウカク、そして化学物質としてヒドロキシカルボナデフィルをそれぞれ追加する。

 非医リストに追加された2原材料のうち、D‐β‐ヒドロキシ酪酸は、化学物質等の枠組みでの収載となる。同物質の製造・販売元が、機能性表示食品制度への対応も視野に、すでにサプリメント・健康食品原材料などとして提案を始めており、非医リスト収載を受け、配合製品の開発、販売に向けた動きが加速しそうだ。植物由来原材料のコイケマ(ペクスオ)も、健康食品として韓国で一大ブームになった過去がある。今後、日本市場の開拓に向かう韓国企業が現れると見られている。

 一方で、コウトウスギ(ウンナンコウトウスギ)を原材料にした健康食品などを販売している事業者にとっては、厳しい改正となった。

 同原材料はもともと、名称「ハクトウスギ」、他名等「ウンナンコウトウスギ」、部位等「心材」、備考「樹皮・葉は『医』」として、非医リストに収載されていた。それが今回の改正を受けて、名称「コウトウスギ」、他名等「ウンナンコウトウスギ/Taxuswallichiana/Taxusyunnanensis」、部位等「樹皮・葉・心材」に改められるとともに、新たに非医リストに分類されることになった。経過措置期間終了後、同原材料を配合あるいは含有する健康食品など食品は、医薬品医療機器等法で規制され、流通させることが事実上、不可能になる。

 今年3月23日から4月21日まで行われた改正案に対するパブリックコメントでは、コウトウスギの食薬区分改正をめぐり730件もの意見が寄せられた。厚労省が公表した意見の全てが改正に反対するもので、「長年利用している製品が医薬品となり、自由に買えなくなるようなリストの改正に反対する」などと、愛飲している一般消費者と見られる人物からも反対する声を上げられる荒れ模様となった。

【石川 太郎】

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