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厚労省、平成14年通知改正を検討へ 健康被害の未然防止強化など目的に リスク管理の全体像見直す考えも

 健康食品との関連が疑われる健康被害の未然防止のさらなる強化を図る考えを、厚生労働省が示した。関連通知の改正も視野に、リスク管理に関する新たな方針の検討に向かう。関連が疑われる健康被害情報の報告を義務付けている指定成分等含有食品以外の健康食品についても、情報収集などを行えるようにしたい考え。24日に非公開で開催した、有識者のワーキンググループで議論した。

 厚労省が公開した資料によると、改正を視野に入れている通知は、平成14年(2002年)に公布した「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」(以下、平成14年通知)。これに基づき、健康被害と疑われる情報の報告を保健所から受けられる体制をすでに作ってある。

 一方で、健康食品のうち、18年の食品衛生法改正に基づき制度化した「指定成分等含有食品」に関しては、関連が疑われる健康被害情報の報告を事業者らに義務付けている。また、報告が上がった健康被害の事例を厚労省のホームページで定期的に公開している。

 その中で、同制度のこれまでの運用実績を踏まえ、指定成分等含有食品以外の、保健機能食品を含む健康食品についても、情報収集の強化や措置の明確化などを行う必要があると判断。このため、リスク管理の全体像の見直しと、その円滑な運用を目的に、「14年通知の改正を視野に入れた新たな方針を検討する」としている。

 新たな方針を検討する必要があると厚労省が捉えた背景には、指定成分等含有食品制度を施行した20年6月以来、指定成分等含有食品以外の健康食品について、14年通知に基づき、因果関係は不明ながらも、関連が疑われる健康被害情報が14事例(21年12月時点)報告されたことがある。このため厚労省では昨年来、これら事例についても指定成分等含有食品と同様、成分名を含めて公表する方向で検討を進めていた。

 ただ、同14事例についてワーキンググループは、注意喚起を含めた「緊急の対応が必要な状況ではない」と判断。因果関係などを分析するためには、「さらなる事例の集積が必要」だとも結論付けた。このため、成分名や製品名を含む公表は行わず、新たな方針を検討する中で、消費者への情報提供についても検討することにした。

 公表をめぐっては、業界団体などから、因果関係が不明な事例を公表することに伴う風評被害や消費者に誤認を与える可能性を懸念する意見が上がり、公表する目的、公表する情報の見方なども合わせて伝えていくことが提案された。また、報告された健康被害情報の評価に当たっては、製品中の成分ばかりに因果関係を求めるのではなく、「製造工程の調査が優先されるべき」だとする意見も上がったという。

 厚労省では今後、健康食品との関連が疑われる健康被害情報の取り扱いについて、薬事・食品衛生審議会の専門部会などからも意見を聴く。それに基づき、平成14年通知の改正も含め、ワーキングループで議論を継続することにしている。

【石川 太郎】

(下の画像:厚労省が公開した、10月24日「指定成分等含有食品との関連が疑われる健康被害情報への対応ワーキンググループ」資料から)

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