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厚労省、健康食品「2大通知」を改正 H14・17年通知、新ガイドラインとして発出・施行

 厚生労働省はきょう14日午前、機能性表示食品等の保健機能食品を含む健康食品全般の安全性確保に関わる2つの通知を廃止し、新たな通知としてそれぞれ発出、施行した。2つのうち1つの通知は、原材料から最終製品まで、安全性を確保するための製造管理や品質管理などに関するガイドラインとして運用される。サプリメントに関わる多くの企業が自主的な対応を求められることになる。関連が疑われる健康被害情報に対する行政の対応指針を示したもう1つの通知も無視できない。同省は今月中に、両通知に関する業界団体向けの説明会を開く。

 厚労省が新たに発出した通知は、「いわゆる『健康食品』・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」と、「『錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検及び製品設計に関する指針(ガイドライン)』及び『錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理(GMP)に関する指針(ガイドライン)』」の2つ。

 前者はもともと「平成14年通知」、後者は「平成17年通知」と呼ばれていた。それぞれいったん廃止の上、新たな要領、新たなガイドライン(指針)として発出された。厚労省は、関連が疑われる健康被害情報の報告とGMPに基づく製造・品質管理を義務化した「指定成分等含有食品」の制度を確立させた後、健康食品全般の安全性確保に向けた取り組みをより強固なものとするため、両通知の改正に向けた検討を進めていた。改正案は、厚労省に設置された薬事・食品衛生審議会や業界団体などの意見を聞きながらまとめた。

 健康食品関連企業に特に大きな影響を及ぼすとみられるのは、新・平成17年通知だ。

 厚労省は、旧通知にはなかった「製品設計」に関する指針を新たに盛り込んだ上で、通知の構成を見直した。これにより、まずは「原材料の安全性確認」、次に「適切な製品設計」、そして最後に「GMPに基づく製造・品質管理」といった、抽出物や化学的合成物質などが配合されるとともに、錠剤やカプセル剤などの通常の食品とは異なる形状を持つ、サプリメントの安全性や品質を確保するために国際的に求められている手順を示した。

 また、これまで曖昧であった通知の対象をはっきりさせた。原材料から最終商品まで、錠剤、カプセル剤等食品に関わる事実上、全ての企業が対象になる。対象に限らず、全体的に、旧通知と比べて内容を具体化した。さらに、食品衛生基準行政の担当省庁が厚労省から消費者庁へ移管されるのに伴い、今年4月以降、新・平成17年通知の所管は同庁へ移る。

 厚労省は、両通知の改正案に対するパブリックコメントを実施。寄せられた意見と回答を11日に公開していた。

 平成17年通知改正案に対する意見では、「流通する健康食品原材料の多くが輸入品であるなかで、国内通知を等しく海外に求め、その責任を輸入事業者が負担するのは難しいものと考える。あくまでも輸入品については『国内通知に準じて同等の情報収集を行う事が求められる』程度にしておかないと、市場が混乱する可能性が高い」として、原材料などの輸入事業者が通知の要求に正面から応えるのは難しい、とする意見があった。

 この意見に対して厚労省は回答で、「本通知は、錠剤、カプセル剤等の形状の食品の安全性確保について、その実効性を図るための一つの考え方を示したもの」だとした上で、「これらの食品の製造者等においては、食品衛生法第3条に定める食品等事業者の責務として、製造する食品の本質等に応じて、これらの考え方に沿って自主的な取組みを推進することが望ましく、輸入者であっても同様」だとする考えを示し、輸入事業者に対して、「輸入元の事業者等の協力を得ながら、製造に用いる原材料や健康食品の安全性確保を実施」するよう求めた。

【石川太郎】

(冒頭の画像:いわゆる「健康食品」の分類。厚労省ホームページから)

関連資料(厚労省ホームページへ)
平成17年通知の廃止について
新・平成17年通知の発出について 
平成14年通知の廃止について 
新・平成14年通知の発出について 

関連記事:厚労省に直撃、通知改正の狙いと焦点 WMR69号電子版発刊、特集に「サプリの製造・品質管理」

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