厚労省、ゲノム編集食品の説明会を開催
厚生労働省は5日、「ゲノム編集技術を利用して得られた食品等の食品衛生上の取り扱い(案)に係る説明会」を都内で開催した。消費者団体や一般消費者、地方自治体関係者などの約180人が参加した。
厚労省医薬・生活衛生局食品基準審査課の担当官は、施策の方向性を取りまとめた報告書(案)を説明した。(案)によると、ゲノム編集食品のうち、遺伝子を切断後、修復にともなう塩基の欠失・置換や、数塩基の変異が挿入されるようなものは、自然界や従来の育種技術でも起こり得るため、遺伝子組み換え食品に相当しないと整理。ただし、開発者に対し、ゲノム編集食品の情報提供を求める方針(任意の届出制)を示した。
開発者が届け出る内容は、品目・品種名、利用目的、利用したゲノム編集技術と改変の内容など。また、DNAの変化が新たなアレルゲンを産生しないこと、ヒトの健康に悪影響を及ぼさないこと、導入遺伝子とその一部が残存しないことを確認した情報も挙げている。
質疑応答では、「切断後に数塩基が変わるというが、大量に変化するのは自然界でも起こる範囲か。どのくらいの頻度でどのくらい生じるのか」、「ゲノム編集技術食品がいつ市場に登場するか」などの質問が寄せられた。
(写真:5日に開催された説明会)