協和発酵バイオ、HMOの展開を加速 2FLが欧州連合で新規食品として承認
協和発酵バイオ㈱(東京都中野区、深田浩司社長)はこのほど、同社が製造・販売する「ヒトミルクオリゴ糖(Human milk oligosaccharide/以下HMO)の2FL(2’-Fucosyllactose)が、欧州連合で新規食品(Novel Food)として承認されたと発表した。
同承認によって、19日から欧州連合加盟27カ国で製造・販売する乳児用ミルクや食品に、同社の2FLが使用可能になる。同社が製造・販売を行うHMOについては、すでに3SL(3’-sialyllactose sodium salt)、6SL(6’sialyllactose sodium salt)が承認されている。
HMOとは、母乳に含まれるオリゴ糖の総称。母乳中の固形成分の中では、ラクトース、脂質に次ぐ3番目に多い成分で、これまでに200種類以上のHMOが母乳から発見されている。牛乳や他哺乳類由来の乳にはほとんど含まれず、特にヒトの初乳に多く含まれることから、乳幼児の免疫や腸内細菌層の形成に重要な成分であることが知られている。HMO入り粉ミルク市場は、欧米で継続的に伸長しているだけでなく、人口増加が見込まれる中国・東南アジア地域でも消費拡大が期待されており、今後の年平均成長率は20%~30%程度と予測されているという。
同社は、1990年代からHMO研究開発の最前線に立ち、2000年に工業レベルでのHMO大量生産システムを構築した。22年11月には、タイに新設した最先端の工場でHMO 3品目(2FL・3SL・6SL)の商業生産を開始。今回の2FLの承認により、3品目が欧州で供給可能となる。
同社では、今後、新規食品原料の申請が承認された国・地域で、HMOの展開を拡大させていくとしている。