医療・介護現場・患者をサポート【コラーゲン特集】ニュートリー、「嚥下サポート」、「栄養素補給」、「流動食」の領域で
ニュートリー㈱(三重県四日市市、武政栄治社長)は、三重県四日市市に本社を構える、栄養療法食品、嚥下障害対応食品などの開発、製造・販売を行う。1963年に設立され、今年60周年を迎えた。医療・介護施設のよきパートナーとして、患者にあった栄養療法の提案、嚥下サポート、流動食、栄養素補給分野におけるさまざまな栄養療法食品の供給を行う。業界団体や学会の支援の下、新たな医療の選択肢としての栄養療法の普及活動を推進している。
エビデンスに基づく商品を通じ、栄養療法の新たな可能性を追求する
同社は、超高齢社会と言われ、さまざまな疾病が複合化、慢性化する傾向にある中、適切な栄養摂取によって健康への回復・維持を目的とし、予防から予後までの治療を総合的にサポートする「栄養療法」に着目する。単に栄養補給という観点に留まるのではなく、常に新しい方向から栄養療法を捉え、エビデンスに基づいた製品作りによって、多様化し複雑化していく医療ニーズに応える。
同社では、より総合的な栄養療法を提案するため、「嚥下サポート」、「栄養素補給」、「流動食」の3つの領域を中核に据え、科学的根拠に基づく製品を、開発から、製造、販売に至るまで一貫して行う。同社の製品を加えることによって、新しい医療、新しい介護のスタイル、そして新しい栄養療法の確立を目指している。
「嚥下サポート」領域では、高齢や病気の後遺症などで飲み込みが困難な人(嚥下障害)のために。食べ物のテクスチャーを改良し、飲み込みをサポートするなめらかな製品を提供。さらに、「嚥下食」への社会的な認知と理解を高めるための啓蒙活動を行っている。「栄養素補給」領域では、的確な栄養素補給によって、人が持っている自然治癒力を最大限に引き出すことを目指し、幅広く健康維持のサポート、「流動食」領域では、半固形状、少量で高カロリーなど付加価値を高めることで、利用する人のQOL向上に努めている。
褥瘡(じょくそう)の課題解決に貢献 『ブイ・クレスCP10ミックスフルーツ』が好調
同社は、コラーゲンペプチドと微量栄養素を配合した飲料『ブイ・クレスCP10ミックスフルーツ』を展開している。同品は、ビタミン・ミネラル補助飲料として1994年に誕生した「ブイ・クレス」シリーズから2013年に発売。21年、消費者庁から「褥瘡(じょくそう)を有する方の食事療法として使用できる食品」として、特別用途食品個別評価型病者用食品の表示許可を取得した飲料。エビデンスに基づいた製品として評価を受け、病院、介護施設、訪問看護現場などでの導入が進んでおり、取得前に比べて、年間販売本数が20%増加し約350万本、累計販売本数は2,000万本を突破した。
また、ゼリータイプも展開。同品は、消費者庁のえん下困難者用食品の表示許可を取得しており、年間で約360万個の販売実績を持つ。
韓国市場での展開を強化 まずは全土の病院から
同社は3月から、韓国全土の病院向けに、『ブイ・クレス CP10(シーピーテン)パウダー』の販売を開始した。医療食品・医療機器を取り扱う現地販売代理店を通じて展開していている。同品は、『ブイ・クレスCP10ミックスフルーツ』の栄養成分をベースに、粉末状に加工し、長期保存を可能にしたもので、主に褥瘡の予防や改善に取り組む韓国全土の病院に提案する。発売後1年間で約10万袋の出荷を目標に、韓国市場での展開を進めており、2028年3月には、年間約75万袋の販売を目指し、今後、韓国市場向けの通信販売での取り扱いも予定している。
※褥瘡:「床ずれ」とも言われ、寝たきりによる長時間の圧迫などで皮膚がただれたり、キズができてしまったりすること。長期療養中に起こりやすく、重篤なものでは骨や筋肉まで及ぶものもあり、細菌が入ることで感染症の原因にもなるため、予防・早期治療が重要とされている。
【藤田 勇一】
(下の画像:『ブイ・クレスCP10ミックスフルーツ』/同社提供)
<COMPANY INFORMATION>
所在地:三重県四日市市富士町1-122(本社)
TEL:0120-219-038(午前9時~午後5時/土日祝日・年末年始・お盆を除く)
URL: https://www.nutri.co.jp
事業内容:栄養療法食品、嚥下障害対応食品などの開発、製造・販売
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