備前化成、新工場を建設へ 機能性食品素材専用、将来的に製剤工場併設も
備前化成㈱(岡山県赤磐市)が新工場の建設を決めた。機能性食品素材(原材料)専用の生産工場を岡山県内の矢田工業団地内に建設する。将来的には、製剤工場を併設させ、原材料から最終商品までの一貫製造体制を構築する計画だ。先月29日、同団地を抱える岡山県和気町との間で企業立地協定を締結した。
生産品目、SACニンニクを主体に研究中の素材など
備前化成は、矢田工業団地内に約3万5,000平方メートルの土地を取得。延床面積約2,000平方メートル、鉄骨平屋建ての機能性食品素材生産工場を建設する。着工は来夏、竣工と稼働開始は2025年初頭をそれぞれ予定。投資額は非公表だが、約4億5,000万円を土地の購入費用に充てた。
新工場で生産するのは、抗疲労機能などが報告されている機能性成分S-アリルシステインを高含有するニンニクエキス末(SACニンニク)が主体となる見通し。同社によると、他に「研究開発本部で現在研究を進めている素材や既存の機能性食品素材工場で製造している素材」についても新工場で生産していく予定だ。生産キャパは今のところ「未定」。
サプリメントOEM工場2棟の建設も視野
既存の機能性食品素材工場が老朽化しつつある中で、機能性食品素材への需要が高まっていることを受け、新工場の建設に踏み切る。同社では、「省人化や効率化を進めることで生産効率の高い工場にしたい」としている。
将来的には、新工場に隣接するかたちでサプリメント・健康食品のOEM(相手先ブランドでの製造)工場2棟を建設する計画。「工場の規模、建設時期などは未定」だとしているが、機能性食品素材から最終製品まで一貫製造できる体制を矢田工業団地内で整えたい考えだ。
同社によれば、先月29日に和気町役場内で行われた企業立地協定書調印式に出席した同社の清水富江社長は、新工場の建設、稼働を通じて「地域経済の活性化に貢献できれば」と語った。
【石川 太郎】
(画像:企業立地協定書調印式。右から備前化成・清水社長、和気町・太田町長ら。写真提供、備前化成)
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